登場人物たち

主人公と友人(?)と各章の登場人物たち

――主人公


無所属:シオン・ツキミヤ

東方諸国家でも戦国島として名の知れた桜蕾ノ島おうらいじまにてウッペ、エネゼウル、二国の王族に仕えた異色すぎる経歴を持つ元傭兵の女戦士。前の命同様口が悪く毒舌持ちだが、その美貌はさらに極まり、傾国など易く、と周囲に言わしめるが、本人まわりの目が腐っていることを真剣に疑っているある意味おバカ。祟り目がなくなり、左右共に貴金属の瞳となった彼女は心の深い傷を見ないフリして助けてくれた三人を頼りにナシェンウィル中央国で新しい生活をはじめる。


――友人(仮)


ナシェンウィル中央国立小中高等学校:クィース・ミンツァ

ナシェンウィル中央国で生まれ育ったドジの神に微笑まれまくりの残念少女。なにをするにもまずこけるなど、毎日必ずなにかしら複数回ドジを引き起こしては周囲に笑われている。ナシェンウィル最難関の中央校に通っているが成績はかなり残念賞。普通科は落第寸前を友人に救われ、残りの点を芸術科で稼いで無事二学年へ進級できた「赤点祭ドンケツ」との不名誉なあだ名を持つ。シオンを発見し、保護したひとり。


ナシェンウィル中央国立小中高等学校:ヒュリア・N・バデトジェア

ナシェンウィル中央国でも十の指に入る名家の御令嬢。成績優秀と、友人であるクィースとは真逆の頭脳を持つ。ただ、高等科にあがった時に取った武術科が原因で生傷が絶えない学校生活に退屈さを持て余している。将来は危険地帯での医療活動を志していて勉強狂で美人なのに変わり者、と友人たちにはひっそり言われている。シオンを発見し、保護したひとり。


ナシェンウィル中央国立小中高等学校:ジュニセル・ウラ・クルブルト(ザラ)

ナシェンウィル中央国で生まれ育った考古学権威を祖父に持つ美青年。普通科の成績は中間どころ。祖父が歴史の専門家であるのに、歴史や史実が苦手でたまにヒュリアのレポートを借りていることも……。ただ、武術科はひとつを除いてかなりの好成績を取る。武芸に優れた逞しい体を持つ。シオンを発見し、保護したひとり。


――一章 目覚め


ナシェンウィル中央国王族騎士隊:メナニス・トックロード

ナシェンウィル中央国の武力部隊、王族騎士隊の精鋭一番隊隊長を務める男。お堅く、少々融通が利きにくそうに見えるが、よく気がつき、たまに冗句でまわりの緊張をとくことも。過去の騎士隊に憧れるまま入隊した古株のひとり。現在の騎士隊の在り方に多大な疑問を持っているが、他の者が割喰わぬよう、努めて押し込めている。


ポポナ食堂:カナセヤフ・モリー・ポポナ

ナシェンウィルで食堂を切り盛りする女店主。とても気前よく、ひとを種族で差別しないとても心優しく、クィースにとっては母のような存在。元は区の児童保護施設に勤務していたが、早期退職し、かねてからの夢だった定食屋を開き、日々忙しくすごしている。


ナシェンウィル中央国立小中高等学校:コニス・ディオッティ

中央校に通う活発な女の子。だが、僕っ。寮ではヒュリアと相部屋をしているので勉強で困った時は迷わず頼るちゃっかりさん。ただ、学校の授業でとあるものを取ってしまい生傷が絶えないのが悩み。自宅と寮、両方で猫を飼っている愛猫家。


――二章 面談


ナシェンウィル中央国立小中高等学校:ウィシーク・ナトゥカカ

中央校の教員。完全に禿げ切らない中途半端禿頭を常にネタにあげられる中央校教員一のからかわれ者。心根はいいがびびり。


ナシェンウィル中央国立小中高等学校︰シェトゥマ・カヒリス

中央校勤務の保健教員。北方に住むシベレスク人の血筋で元騎士隊の三番隊に務めた救護の専門家。心優しく、生徒たちの為に賃金以上の気遣いをしてくれるひととして中央校では結構人望もある。過去の騎士隊に思い入れを多分に持っている。


ナシェンウィル中央国立小中高等学校︰フォナ・シーレイ

中央校に通う超元気娘。東方諸国家がひとつポクス王朝からの留学生。まだナシェル語に馴染み切らずちょいと変な言葉になる時があるも武術科ポクス古武術を履修し、厳格な講師に良と可の間という微妙成績をつけられるもまあまあの実力者。


ナシェンウィル中央国立小中高等学校:バウク・ベイラーズ

中央校に外部講師として雇われている男。荒っぽい見た目のまま気性荒く、残忍な性格で知られる。武術科「基礎の組手」をという体裁でいるが、実際は……。


ナシェンウィル中央国立小中高等学校:ナフルージェ・ウラニエ・クルブルト

中央校に通う三年女子。別名ブレーキ大破損した暴走戦車とも呼ばれる中央校一いかれた御仁。将来に考古学研究所の研究チームに所属希望だったが武術科の成績がでずに面談すらしてもらえなかったことで絶賛お怒り中の沸騰中。ザラの姉。


ナシェンウィル中央国立小中高等学校:パデア・ドルトア

中央校に通う三年女子。ナフルージェの相部屋仲間。中央校一のいかれっぷりを日々更新しまくるナフルージェの貴重なストッパー兼友人というある種の偉人、とザラには言われている。


ナシェンウィル中央国立小中高等学校:トレジ・エバネレト

中央校一の弩級変人用科目、普通生物科竜生態学を教えている変わり者教員。だが、学会においては誰よりも顔が利くほど、恐ろしいほど竜のことに詳しい。厳格な見た目通り厳しく在り、教頭の補佐を担うことすらある肝の据わった数少ない教員。


ナシェンウィル中央国立小中高等学校:ニークウィニーサ・E・F・ルマリエ

中央校の教頭。美しい見た目とは裏腹に厳しく恐ろしいほど冷酷。特に気に入らぬ者に対してはさして感慨もなく暴言を振るうこともあり、生徒のことにさほど興味がなく、当人曰く「思いあがりの激しい猿」だそうだ。理事長、校長に次ぐ権限を持つ。


エリディスト共和国:イジャベラ・トトリカ

東方の国エリディストからナシェンウィル中央国立小中高等学校へ編入受験をしに来た女の子。希望は高等科二学年。故郷での戒律で人間として扱われないことに嫌気が差し、保護者である祖父母に無理を言って受験しに来た。父を〈魔の物〉に殺されたので祖父母っ子として育った。


衣装ジルバーズ:ジルバーズ・オーデリュ

創業四百年の老舗高級洋服店で代々ジルバーズの名を継いできた店の現店主。今のところ弟子はなく、そのうち気まぐれな洋服好きが跡を継いでくれるだろうとのこと。呑気なのか気楽なのか。どんなお得意も贔屓しない、のスタイルが特に人気である。


バスナ区役所:オッティ

バスナ区役所に勤務するおじさん。退屈そうに冷たい対応ばかりだが、区役所では結構な古株。せめて可愛げを、とオッティなんて愛称で呼ばれている。


――三章 武術科と屠勠者


ナシェンウィル中央国立小中高等学校:ウルミシェリ・ナトレシク

中央校に通う、ナシェンウィル中央国の最高十貴族に数えられるナトレシク家の御令嬢。「基礎の組手」でひどい目に遭っていたが、仕返しの為にも一念発起し、シオンに師事することを決意。ヒュリアとは財閥令嬢友達でもある。


ナシェンウィル中央国立小中高等学校:ハルナ・ユキシロ

中央校には編入で入った女の子。出身は東方諸国家で父親の仕事の関係で移り住み、中央校で本格武術をからと思ったのが間違い。「基礎の組手」で散々な目に遭うものの同じ被害者仲間に誘われてシオンの授業を新規履修する。


ナシェンウィル中央国立小中高等学校:エクトリエ・レナンストス

中央校には編入で入った女の子。出身は西方の国テンテ。看護系の授業を多く取っているが、「基礎の組手」で他女子たち同様、大量につけられた痣のお世話になるも、根性を奮い立たせてシオンの武術科に懸けることにし、履修することに。


キラスト事務所:ジニナ・キラストラード

カナイブ地区、という場所に屠勠者事務所を構えて〈魔の物〉狩りで生計を立てることができる実力派の女性屠勠者。大雑把で強い者を見ると腕試ししたくなる男前気質。クィースの両親となにか縁があるようだが……。


クロードケット総合屠勠者事務所:ゼン・イゼラブレフ・クロードケット

カナイブ地区の奥部に巨大事務所を構える屠勠者たちの首領ドン。巨躯の老人ではあるがまだまだ現役バリバリで元気有り余っていて破天荒に周囲を振りまわす。が、実力・分析力共に折り紙つきの歴戦屠勠者。声が異常にでかい。


考古学特調査委員理事会:ゼナレル・フシテファ・ウラ・クルブルト

ザラの祖父で考古学の権威。歴史のことになると結構率でバカになる、というかのめり込んでしまうものの歴史に関する知識はナシェンウィル中央国一。ゼンとは昔馴染みであり、彼にとっての生き字引でもある。


――四章 贋生命ホートモデオ


ナシェンウィル中央国立小中高等学校:ユウェリ・セトゥ・クイックリドー

ナシェンウィル最高十貴族の一家、クイックリドーの御曹司。中央校には初等科から通っている。金髪藍瞳の美男子だが、どこか儚く、散ってしまいそうな花のような青年。シオンと出会い、彼女に不思議な気持ちを抱くようになる。


ナシェンウィル中央国王族騎士隊:ポラクエラブ・ハンドラップ(ポラン博士)

ナシェンウィル中央国騎士隊に置いて最も古株と言われる老人。今は適任者なく分野変更された科学技術隊、四番隊の名誉隊長を務めている。ゼンとは古くからの知りあい。技術的素養はかなりのもの。


クイックリドー家:シェニファ・セトゥエ・クイックリドー

ユウェリの母。クイックリドー家に輿入れした当時からずっと夫であり、当主を支えてきた女性だが、その夫が娼婦に引っかかり、あまつさえ家に招いたことにおかんむりで、ユウェリにまで悪い蟲がつかないかと戦々恐々している。息子想い。


クイックリドー家:アニタ・リキャンベリン(クイックリドー)

元娼婦の女。クイックリドー当主と関係を持ち、とある理由でクイックリドーの家に転がり込んだだけでなく、ユウェリやシェニファを排斥し、クイックリドー夫人の座を正式にえようとしている野心家。


クイックリドー家:ガルダ・リキャンベリン(クイックリドー)

アニタの息子。母共々クイックリドーに招かれた男でユウェリのことを義弟として可愛いと思っているようだが、極度の女好きであり、美女を見ると鼻の下伸ばす。


?:クイン・セ・テー

シオンがサイだった頃から付き合いのある情報屋兼技術屋。とんでもない節操なしの暴利振りで負の勇名をはせていた。金さえ積めば難攻不落の電子壁も鍵も解除する。あらゆることに精通している専門家中の専門家。シオンには多少価格融通がある。



――五章 〈ペルメの白夜〉(本の中の登場人物)


?:アメ

竜たちの親であり、姉である存在。龍。竜たちには親しみをこめて大君と呼ばれることが多い。基本的に優しいが、時折、聞き分けない者には冷たい笑顔を見せる。


?:サリッシェン・ティーブルー

竜たちの現最年長の九千歳。堅く融通が利かないが、大君には頭があがらない。


?:ジィシズルバーナ・オードレィ

竜たちの中でも人里におりて生活している竜の若者。七千歳。人族に教えてもらった酒での晩酌を日々楽しみにしつつ、人族相手に商売をする逞しさを備える。


?︰ニウィーティニ

竜たちの中でも人里におりて生活している竜の若者。四千歳。ジィシズルバーナと違い、酒は薬臭くて嫌い。ひと相手に商売をして収入をえている。


?:アンジェリング(アンジェ)

火を司る五千歳のまだ若い竜だが、破壊力のほどは万年の竜に匹敵する。妹らぶ。


?︰ライリィナトゥーサ(ラーナ)

アンジェリングの妹。三千歳。引っ込み思案で人見知りが激しく兄にべったり。


コプロプキス公国︰トエレデリルリ(トリーリ)

ひとの里で生まれた竜の幼子。千歳。竜たちが暮らす山に過剰な憧れを持っている。八百屋で働いている好青年。


コプロプキス公国:ロシエル・リブリスキー

コプロプキス公国のツアーガイド。活発でひとと打ち解けるのが得意。こども時代から観光客を案内し続け、十九歳の今、コプロプキス公国の遊び場を網羅している。


コプロプキス公国︰イオラ

竜とひとの間に生まれた偽竜族アルリニアのこども。活発なコで父母はもちろん伯父のことも大好き。学校に通うのを楽しみにしている。


――六章 屠勠者技能認定試験


無所属:テムバローズ・ジェジー

ナシェンウィル中央国で屠勠者をしている狼人間の青年。狼人間ということで差別と偏見を持たれているが、ゼンを「オヤジ」と慕っている今時珍しいほどまっすぐで素直な青年。あることが理由で狼人間である以上の迫害を受けてきた。屠勠者内でも近づく者はゼン以外になく、孤立している一匹狼。主だったものは〈魔の物〉狩りの仕事で、誰もしない、受けない仕事をゼンがまわしてくれ、こなし、収入をえている。


――八章 獄卒


炎業ノ薔薇園えんごうのばらぞの:?

イハナサの八十八ある地獄のうちのひとつから来た獄卒。礼儀正しく紳士的だが、好戦的な前衛職者の剣士。丁寧な言葉遣いながら地獄の悪鬼に相応しい鋭く強大な殺気を携えている。


鮮血泉ノ氷河せんけつせんのひょうが:?

イハナサの八十八ある地獄のうちひとつから来た獄卒。歳幼い少女の見てくれをしているが後衛職者で非好戦的。というよりは前衛職の者が苦手。全身のありとあらゆる穴から血を流すのが特技(?)の不気味な見た目の少女。


――十章 貢


ノルオス帝国:イルフィニート・マドゥナ・レティア

遮光の国ノルオスの絶対君主。五百年前、ペルメでアンジェリングの甥イオラを解体して喰った最初のひと。以降変わらぬ美貌と若さ、強さを誇っている。嗜虐心の塊のような男で冷酷無慈悲。好物は光り輝く魂の持ち主が持ちえるすべて。異常な支配欲を持っている。シオンの美貌に宿敵を見つつも彼女の魂には特に心惹かれており、身も心も魂すらも、すべてを手に入れたいと画策し、残酷な手を方々にめぐらせる。


ノルオス帝国:アリキス・ウルオルト

ノルオスの上位貴族の中でも最高位にいる女。ノルオス皇帝のお気に入りだが、主だった仕事は各国への潜伏。その為に多くの者を手にかけてきている卑劣な女でアンジェリングの甥、イオラを誘拐した犯人でもあり、イオラの肉を喰らって不老長寿を獲得している。残忍さはノルオス皇帝には及ばねどかなりのもの。

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