Ⅳ.くらいセカイ

「おはようございます」


 朝、校門前で部長に会った。機嫌よく笑顔で挨拶したことに疑問を抱いたのか首を傾げられた。それを見ても笑っているだけで指摘はしない。部長は旧校舎どうだった、と興味があるのかないのかわからない声音で訊ねてくる。


「楽しかったですよ。でもうまく説明できなくて」


部長も行きますか?

そう声をかけて、また笑った。うまくできているかはわからないけど、それでもいい。今疑問に思われなければ何も問題ない。


 くらいセカイに行きましょう。

 あの子達が寂しがって、くらいところでまっているから。


 太陽の出た昼の下、這い出た闇は笑った。

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くらいところでまっている 香月読 @yomi-tsuki

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