薄毛
もうずっと前から、僕は薄毛に悩んでいる。ストレスが原因なのか、本当に一気に禿げた。髪型もどうにも決まらず、みっともないので坊主やスポーツ刈りにして誤魔化している。
母もそのことは重々承知で、特にそのことには触れないでいてくれた。
だが、ある日の朝、洗面台の前で歯磨きをしている僕に向かって、神妙な面持ちで母はこう言ってきた。
「ちょっと真弥」
「?」
「あんた、最近ちょっと髪の毛増えてるんじゃない?」
トーンがおかしい。むしろ
「あんた、最近ちょっと髪の毛減ってない?」
というときに使うべきだったんじゃないかな。
母よ、ボケているのか? 舘田 真弥 @ShinyaKanda
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。母よ、ボケているのか?の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます