確かに戦国時代に現代の知識と歴史=運命を知って転生したならば、そしてそれが不幸な末路であるならば、どうにかしたいと思うのが人情というもの。
でもまさか、戦国時代に電球が登場するとは思いませんでしたよっ。
この物語の主人公は、あの武田信玄の後を継いだ、諏訪四郎こと武田勝頼です。
武田家といえば、戦国最強を謳われながらも勝頼の代で織田信長に敗れ、滅亡していった名家ですね。
そんな武田勝頼に現代人が転生したところから、物語は始まります。
主人公である勝頼は、当然ながら歴史を変えるために、あれこれと手を打っていくわけですが、なかなかどうして歴史は変えられないところがいい。
それでも着実に手を打っていき、未来に備えていく。
それらがどう実を結ぶか、読んでいて期待感を抱かせてくれます。
文章は歴史物にありがちな重厚さからはかけ離れているものの、現代人の視点であるならば、むしろこれで正解かも。
そういうわけで、平易で読み易いのです。
詳しい歴史を知らずとも、戦国時代の雰囲気さえ何となく心得があれば、入り込み易いかと思います。
勝頼は未だ歴史の流れを変えることができていませんが、そのために十年以上をかけて用意した科学アイテムの数々がどう活躍するのか。
もはや火縄銃など過去の遺物。
勝頼空撃隊の出動はまだか!
歴史IFのファンタジーちっくで軽快な戦国戦記物をお探しの方には、是非ともお奨めです。