盛者必衰。崩壊した文明都市の風景を美しく思うのは、私が当事者ではないからだろうか。とにかく退廃的でありつつも、原始的で美しい世界観に思えてならない。選曲も非常に的確で、私は本作に登場した曲を聴きながら読み進めました。あの曲は多くの日本人にとって、一度は聞いたことのあるであろう馴染み深い「BGM」的楽曲ですが、少なくとも私は、これ以降、あの曲を聴いた際には、本作を読んで想像した世界がゆったりと浮かび上がってくる事でしょう。