第3話 世界を救いました!
「糞勇者め! 遂に妾の前に現れよったな!!」
主人公は魔王城に着くと雄の魔族はとりあえず斬り倒し、雌の魔族はとりあえず胸に対する評価を下した後、魔法で拘束をしました。
そんなこんなで魔王城の最奥に着くと、なんとも美人な魔王が居ました。
綺麗な黒髪は腰の辺りまで伸び、キリッとした目付き、ふっくらとした唇が魅力的で、色気がムンムンです。
お尻もムッチリして胸もデカい。
主人公はすげぇ好みの魔王が出てきちゃったよと思いました。
そんな主人公の考えに気づかないまま、魔王は激昂します。
なぜなら、胸大好きマンの主人公に自慢の四天王は壊滅され、部下からは『四天王があんな感じなら、魔王様も実は残念なのでは?』と変な疑惑を持たれているからです。
一部では『魔王様の胸はパットを3重にしている』と噂をされています。
そこからあることないこと噂を流され、魔王の威厳はかなりなくなっていました。
それを知った日の夜、魔王は枕を抱きしめたまま涙を流しました。
そして、勇者である主人公を殺すことを決めたのです。
そして、やっと目の前に憎っくき勇者が現れました。
もう目はギンギンで殺意はMAXです。
でも、そんな様子に全く気付かない主人公。
むしろ、熱っぽい視線を送られていると勘違いし、『あれ? こいつ俺に気があるんじゃね?』と思っているほどでした。
「とりあえず死ねぇぇぇぇぇぇ!!」
魔王は膨大な風の渦を生み出しました。
それは周りにあったもの全てを吸い込み、粉々に破壊する程の威力でした。
それを見たら歴戦の猛者といえど恐怖を覚えたでしょう。
しかし、主人公は恐怖がありませんでした。
ただただ風で揺れる胸を凝視していました。
「チッ! 流石勇者! 風の渦を相殺するとは……ならばこれでどうじゃ!」
次は魔王が水魔法を使い、大量の雨を降らしました。
その雨には魔力を吸い取る力があり、浴びると魔力がなくなり、命を落としてしまいます。
魔力がなくなると、人間は死んでしまうのです。
でも、主人公はそんなことはお構いなし。
ただただ雨で魔王の下着が透けることを期待していました。
「グッ……これも防ぐか。 忌々しき勇者のマントめ……! 雨を跳ね返すとはやるのぅ! なら、次は地獄の炎で焼き死ねぇ!」
魔王が両腕から炎の龍を生み出し、主人公に向かって放ちます。
その龍は1度放たれると、相手を焼き殺すまで追いかけ続けます。
主人公は龍に追われながら考えます。
どうしたらこの龍を上手く使って、魔王の胸の部分の服を焼くことができるかを真剣に考えていました。
「嘘じゃろ!? この龍を飲み込むじゃと!? 貴様の盾はどうなっておる!? ええい! もうこれがとっておきじゃあ!! 今度こそ死ねぇ!!」
魔王は両手を上にあげて力を込めると、大きな大きな雷雲が現れました。
そして、大きな大きな雷が主人公へと落とされたのです。
しかし、主人公は迫り来る雷を見ながらこんなことを思っていました。
『この雷が良い感じに光って、下着が見えないかな?』と。
「そ、そんなぁ……。 妾の渾身の雷魔法を右手で薙ぎ払いおった……くっ!! こんなに力に差があるとは……!」
魔王は奥歯をおもいっきり噛み締め、その場に膝をついて座り込みます。
どうやっても勝てないと悟ったのです。
そんな魔王に主人公はゆっくりと近づいていきます。
ザッザッと聞こえる足音が、死が近づいている音に聞こえました。
そして、膝をついている魔王のところについた主人公は、魔王に向かって問いかけました。
「貴様の胸は何カップだ?」と。
魔王は意気消沈し、もうどうでも良くなっていたので答えました。
「Dカップじゃ……」
それを聞いた主人公は矢継ぎ早しに聞きます。
「EよりのDか? それともCよりのDか?」
魔王はなぜこんな質問をしてくるのだろう?と疑問に思うと同時に、胸に執着する主人公に恐怖を覚えました。
「E、EよりのDじゃ……」
魔王は震え声で答えました。 主人公の顔は怖くて見れません。
「そうか……正直、俺は守備範囲内のお前を殺したくない。 でも、同じ守備範囲内にいる女神様との約束を破りたくない。 どうしたものか……」
それを聞いた魔王は体全体をガクガクと震えさせました。
ただただ目の前の男が怖い。 ここまで胸に執着する主人公が怖くて堪らなくなりました。
ここでこの男を止めておかないと、全世界にいる女性、いや、雌がこの胸大好きマンによって酷い目にあうと思いました。
でも、魔王の力ではこの男を止めることが出来ません。
魔王は諦めて下を向かうとしました。
そんな時、空から神々しい光が降り注いできたと思ったら、金髪碧眼で綺麗なロングな髪、清楚な服装の女性が舞い降りて来ました。
きっと、彼女こそが勇者が言っていた女神様なのだろうと、魔王は悟りました。
あぁ……これで完璧に終わったな……。
「おお!! 女神様良いところに!!」
主人公は女神様に気づくと駆け寄ります。
しかし、主人公は女神様の近くに行くことは出来ませんでした。
なぜなら——————————————
「め、女神様……?」
——————————————女神様が主人公に斬りかかったからです。
これには魔王ビックリ。 開いた口が閉じません。
そんな魔王の近くに女神様が現れました。
隣にいる女神様は、昔からいる戦友のような居心地の良さを何故か感じました。
「な、なぜ女神が勇者に斬りかかる…? そしてなぜ妾の横に戦友の様に並ぶのじゃ……?」
魔王は呆然としながら女神様に問いかけます。
そんな魔王に女神様は同性が見てもドキッとするような笑顔で、こう言ったのでした。
「だって、今から私達はあの胸大好きマンを封印するんですから!!」
魔王は意味が分からなくて頭がこんがらがりました。 それは勇者である主人公も同じ。
主人公は焦りながら女神様に問い詰めました。
「何故です女神様!? 俺は貴方に魔王討伐を依頼されたから、力を貰って勇者になったというのに!」
それを聞いて女神様は下を向き、腹の奥から笑いました。
「アッハッハ! 確かに私は貴方に魔王討伐を依頼しました! ええしましたとも! でも、今は魔王よりも貴方を討伐、いえ、封印する方がこの世界には必要なのです!」
「な、なにぃ!!??」
魔王はもう意味が分からないので、早く帰ってベットでヌクヌクの毛布を体に巻き付けた状態でゲームをさせて欲しいと思いました。
「貴方のせいでこの世界の男性の9割は巨乳好きになり、世界が可笑しな方向へと向かっているのです! 正直、このままだと魔王よりも貴方の方がこの世界には害だ! だから、貴方を封印することに決めたのです!」
「な、なんだそれは!? そんなの酷いじゃないか!」
「確かに酷いと思います! でも、貴方は自分が考えている以上にこの世界を動かし過ぎている! 貴方は知っていますか!? バストアップに良い食べ物を巡って、国同士が戦争を始めようとしていることを!」
「な、なにぃぃぃぃ!?」
この世界ヤバくね?
魔王はそんなことを思いながら、早くここから逃げたいと思いました。
「他にも色々ありますよ! もう貴方を好きにさせることは見過ごせない! ここで魔王と共闘し、貴方を封印します!」
魔王は女神様の方を向いて、『え、妾それ初耳なんじゃけど……』と思いました。
「女神様……いや、クソ女神! そっちがその気なら俺だって封印されたくないから全力で戦ってやるよ! 魔王共々かかってこいやぁ!」
え、勝手に妾を巻き込まないでよ。 そろそろ泣くよ?と魔王は思いました。
「魔王……さっき歯が立たなかったから戦うのが怖いかもしれない……でも、大丈夫。 貴方の本当の力はこんなものじゃないはずよ! それに、女神の私がついてる……!! 私を、信じて……!!」
女神様が熱い言葉をかけながら情熱的に励ましてくれますが、色々可笑しくない? ツッコミどころしかないじゃんっと魔王は思いました。
でも、主人公は倒したい気持ちはまだあるし、正直展開などが意味が分からないので、女神の案に乗ることにしました。
こうして女神様&魔王VS勇者である主人公の闘いが始まりました。
もう当初とは形勢が逆転しています。 意味がわかりません。
戦いは加速し、激しい戦いになりました。
大地は抉れ、雲を引き裂き、周りには爆音と焦げた匂いが充満しました。
そして、女神様と魔王は主人公を封印する一歩手前まで追い詰めたのです。
「はぁ……はぁ……。 くそっ……俺もここまでか……!」
「はぁ……はぁ……。 勇者よ! 覚悟!!」
女神様が封印の剣を主人公に突き立てようとします。
それに対して主人公は最後の力を振り絞って、両手をおもいっきり前に出しました。
すると——————————————
「ひゃぁ!?」
「んんっ!?!?」
——————————————両手に素晴らしい感触が伝わってきました。
主人公は自分の両手を見て愕然とします。
なぜなら、右手には女神様のG、左手には魔王のDが握られていたからです。
主人公は思わず2.3回揉みました。
素敵な感触に涙が出そうになりました。
「な、ななななななな!?!?」
「き、きゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!??」
女神様が顔を真っ赤にし、魔王は胸元を抱きしめながら座り込みます。
その姿を見て主人公は——————————————
「うぃぃぃぃぃ!! さいっこうっだぜぇぇぇぇ!!」
——————————————腹の底から大声で叫びました。
「さっさと封印されろやぁぁぁぁぁ!!」
女神様は激昂して、封印の剣を主人公に突き立てます。
突き立てられた主人公は、見ている人がとても爽やかな気持ちになれるほどの笑顔で封印されたのでした。
「お、終わったの……?」
「えぇ……これで脅威が消えて、世界に平和が訪れたわ」
魔王が女神様に聞くと、女神様は爽やかな笑みを浮かべます。
それを見て魔王は思いました。
『あれ? 世界の脅威って妾じゃなかったっけ?……まぁ、いいっか!』と。
「妾、もう人間とは戦わぬ。 戦争もせん」
魔王は力強い声で宣言すると、女神様に握手を求めました。
その握手を力強く返し、約束を交わす女神様。
どうやら戦いの中で女の友情が芽生えた様でした。
こうして世界には平和が訪れたのです。
巨乳好きの主人公が動いてくれたおかけで、魔王を抑え込み、戦争を止めることができたのです。
ありがとう主人公!
君の勇姿は忘れない!!!!
ちなみに、主人公の封印は3年後に解かれ、なんやかんだあって魔王と女神様と結婚し、幸せな家庭を築いたのでした。
ちゃんちゃん♪
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掴んだのは胸と幸せな家庭でした。
巨乳好き勇者、世界を救う!? @raitiiii
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