第67話 タクシーにて

 深夜、流しのタクシーに乗った。ミラー越しに運転手と目が合った。


運転手の瞳孔が、みるみる細くなっていく。

「おやぁ?お客さん、私の正体がわかってるね?」


黙っていると、彼は続けた。

「お客さん、あんたの目、瞳孔が三日月になっちゃってるよ。羊かね?ちゃんと隠さないと」


しまった、気をつけないと。

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