第68話 ひき逃げ

郊外の小さな交差点は暗かった。それにあっちが飛び出してきたんだ。

だから、ブレーキが間に合わなかった。

ドゴッという重い衝撃に一瞬躊躇ったが、恐怖で止まれなかった。誰も見ていないはず。


震えながらスピードを上げる。

すると


「あーあ、俺を轢いたままかい?」


後部座席に、誰か、いる。

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