主人公の少年、パーフェクトボーイを自称するのは生意気盛りと言うのでしょうか。勝ち組になろうと子供ながらに必死さを感じると共に、早く大人になりたい早熟な子供心が見えるものです。
背伸びしているのですが、やっぱり子供なのです。虫歯に恐れを抱き、痛みを堪えてひた隠しにする姿は完璧でも綻びがある強がり。そんなところに子供らしい可愛さを覚えました。
そんな少年が通学途中にスクラップ工場で出会うのは、灰色のマフラーを靡かせる黒サンタ。
怪しい風貌から怪人かと疑いを覚えもしましたが、正義のヒーローにしては妙に影を感じて、善人なのか悪人なのか何とも言い難い。黒サンタは何者なのか、目的は何か、謎が深まります。そこが物語の魅力的なところの一つと言えるでしょう。
そして、この二人の出会いはいったい何を齎すのか。どんな騒動に発展するのか、少年の運命はどうなるのか。少年は何を見て、どう変化するか……。
それは本作品を拝読して、その目でお確かめください。作者様がとっておきのクリスマスプレゼントを用意してくれています。
大人も子供も楽しめる物語に是非とも惹き込まれて下さい。