おまけ:キャラクター紹介その3(城の関係者たち編)
ここまでお読みいただきありがとうございます! 旅に出たばかりの一行が少しだけ仲を深めた3章、お楽しみいただけましたでしょうか。
今回も幕間話といたしまして、キャラクター紹介+小話をさせていただきます。読み飛ばしても問題ありません。
第4章はフィールーンをヒトに戻す方法について知る者、大魔法使いである竜アーガントリウスとの出会いが描かれます。各キャラの色々な活躍も詰め込んでおりますのでご期待ください。
どうぞ今後も当作をお楽しみいただければ幸いです!
***
※情報は3章終了時までのネタバレを含みます。
<城の関係者たち>
☆カイザス・ライトグレン
ゴブリュード王国近衛騎士隊長にして、現王ラビエルの側付。リクスンの義兄でもある。長い銀髪が似合う爽やか美形で、城に仕えるほとんどの侍女の脳内に花吹雪を巻き起こしてしまう罪な人物。
その武芸の腕とおおらかな人柄を見込まれ、数十年の長きに渡り隊長を務めていたヤクレイウスから隊長職を譲り受けた。誠実な人物であり、裏表のないその立ち振る舞いは城内外の者に慕われている。
隊長になりたての頃に“ある事件”を担当し、その関係者であった幼いリクスンを義弟として引き取ることになった。竜人化に苦しむフィールーンの力になりたいという彼の願いを聞き、側付に推薦したという経歴がある。
隊長ではあるものの、指揮官席にじっと座っている人物ではない。自らや右腕である部下クリュウと共に調査に赴くことも多く、王からの極秘任務を単独でこなすこともあるという。
「――お待ちください。カイザス様」
「ああ、見つかってしまったか。さすがだな、クリュウ」
「カーテンをつなげて窓から脱出を試みるなど、古い絵巻の中だけの出来事だと思っておりました。それでどちらへ?」
「うん、極秘の任でな。見逃してくれ」
「また王のお忍び外出ですか? それとも書類仕事に飽いた貴方様が外の風に当たりたいだけですか?」
「はっはっは、辛辣だなお前は。しかしどちらも正解だ!」
「極秘じゃなかったんですか。まったく……馬は裏門の脇に待たせております」
☆クリュウ
カイザスの右腕を務める謎多き人物。諜報活動が主であり、肌のほとんどを黒い布地で覆っているので素性を知るものは少ない。カイザスに多大なる恩義があるらしく、王家よりも彼への忠誠を誓っている。
東の小国の生まれで、武器も短刀や煙玉など独特なものを使用する。セイルに気づかれないほど気配を消すのがうまく、気づけば背後にいてたびたび人を驚かせる。極まったその技術は、たとえ気づいてほしくても気づかれないという悲しい副作用を生んでしまったという話も。
☆ラビエル・ジャースーン・ゴブリュード
フィールーンの実父であり、ゴブリュードの現国王。種族に分け隔てなく接する善王で、多くの国民から支持を得ている。しかしやや楽観主義で道徳を重視する傾向にあるので、現実的な大臣たちエルフからはたびたび反発を食らうことも。
早くに妻を亡くして落ち込んだ時期もあったが、今もなお前を向いて国を導く快活な王である。一人娘であるフィールーンを溺愛しているが、そばにいたい気持ちを抑えて書庫塔へと隔離した。その間も常に竜人の血を取り去る方法を探し続けていた。
「カイ。娘からの手紙は来ておらぬのか」
「残念ながら。原因としましてはおそらく……昨日、一通届いたからでは?」
「ぬうう、余は毎日ほしいのだ、毎日っ! フィルは父の顔を忘れてしまったのだろうか」
「行き先によっては、文を出せぬ地もありましょう。代わりにこちらが届いておりますよ。どうぞ」
「その小難しいエルフ文字は、レイモルドのものではないか! どうせ仕事の催促であろう、開けぬぞ!」
「では読み上げます。大臣のいつもの咳払いつきで」
「ぬああああ、そなたエルフ語にも通じておるのか! 出来すぎる側付というのも考えものよ」
☆レイモルド・ニーゲンヴェルグ
ゴブリュード王家に長く仕えるエルフの文官。徹底的な現実主義者であり、ラビエル王に対してもはっきりと意見を述べる男。他種族を見下している部分があり、国の心臓たる王家がヒトや竜で構成されていることに不満を持っている。
フィールーンを軟禁していた書庫塔を管理すると同時に、彼女の教育係でもあった。王の目の届かない場所で幼いフィールーンに冷たく接し、教養とは名ばかりの歪んだ倫理観を植えつけようとした。しかし多くの書物に目を通した彼女はレイモルドの唱える説に疑問を持ち、結局彼の理想通りの人物には育たなかったらしい。
武官の長であるカイザスとは意見が合わないのか、顔を合わせるたびにチクリと小言を放つのが常。
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