心を彩ってくれるラブコメ

この小説への思いを綴りたくなってしまい、急いでアカウントを作り投稿しています。初めてのレビュー投稿ですから、長くまとまりもなく参考にならないかもしれませんが、どうか投稿させてください。

11月末のことです。ちょうど中間試験直前で勉強しなければならなかったのに、TwitterのTLを漁っていると可愛らしく女の子がピースしてる書影が流れてきたのです。見た目がドストライクだったので詳しく調べてみるとこのページに辿り着きました。それからは、勉強など忘れて154話まで更新されてましたが一気に読んでしまいました。当然、試験は散々な結果に終わりましたが、それでも後悔はしない、それほどに惹かれてしまう作品だったのです。

この小説の最大の良さは「とても甘いのに、とても苦いこと」でしょう。甘いだけのラブコメも苦いだけのラブコメも、私の場合はどこかで読むのが辛くなってしまう。こんなに甘いはずはないのに、こんなに苦くなくてもいいのに...と。しかし、この作品は両者のバランスがきちんと取れているのです。また、割とありがちなパターンなのですが、何かすごい能力を持ってる人がいるわけではありません。みんながみんな、実在していそうな純粋な人間なのです。まとめると、現実味があり感情移入しやすい作品ということです。(もちろん、小説は小説ですから、100%丸々現実要素というわけではありませんよ?)
ただでさえ多感な時期の高校生、それぞれが抱える過去や背景、そして高校生たちを取り巻く人々...感情移入して、彼らの世界に飛び込むと、彼らの喜びや苦しみ、様々な感情が私の心に伝わってきて、ずっと見守っていきたいと思うのです。不思議なことに、自分が朝原のようになりたいとは思いません。ただ、朝原や朝凪をはじめとした「彼ら」には、自分自身で納得できる道を選び取って進んでほしい、そしてそれを見守っていたいと思うのです。

そして、次に良いところは「読みやすい上に癒やしてくれること」でしょう。前で述べたように感情移入していると、彼らが楽しい時間を過ごしてくれていると、こっちも楽しくなってくるのです。彼らが生み出すほんわかとした暖かい時間は疲れ切った私の心を癒やしてくれます。また、展開にもメリハリがあり非常に読みやすいです。甘々一直線の平坦なストーリーではなく、甘さの裏に隠れた苦みが出てきたり、その苦みを越えた先には新たな甘さがあったりと、非常にテンポがよいので読むのをやめることができません!しかも、その新たな甘さがただ砂糖をマシマシにしたような単純なものではなく、きちんと彼ら自身が人生の中で試行錯誤して完成した甘さなんですよね。(かなり私の語彙力がなくて伝わりにくい表現ですね...すみません...)

Web版では一部に不自然なストーリー展開がみられるというレビューがあって、私もそれを否定はしません。しかし、毎朝7時にこれだけのクオリティのものが無料で読めるのですから、全くマイナス要素ではありません。というより、不自然といってもそこまで気になるようなものではありません。ですので、まだ読んでいない人は気にせずに読んでもらえたらなと思います。そして、昨日(12月24日)書籍版が発売されて1度読み通しましたが、いわゆる不自然な部分はほぼ無くなっていて、かなりの完成度です。期待をはるかに超えてくれました。また、Web版と違うイベントも盛り込まれていたので、既にWeb版を読んでいるという人も比べながら十分楽しめる内容になっています。ぜひ書籍版も手に取ってもらえればなと思います。

長文大変失礼いたしました。また、ここまで読んでくださった方、ありがとうございます。この小説がより多くの人の心を癒やし、彩ってくれることを期待して締めたいと思います。本当にありがとうございました。