「奇祭目撃記録…」
低迷アクション
第1話
※以下はY県山中で見つかったレンタカーからのドライブレコーダーの録音記録である。
尚、車輌、レコーダー共に、損傷が激しく、音声のみの復元となる。
男①:「なぁっ?ナビはどう?」
(車内ラジオの雑音と眠たそうな男の声)
男②:「この農道行った先に、村あるって言ってる」
(パネルを操作する音と、ぶっきらぼうな男の声が答える)
女:「あ、見えた、見えた。あれじゃない?明かり見えるよ!」
(はしゃいだ様子の女性の声)
男①:「ホントだ。〇〇(男②の名前)、車動かせ!」
男②:「いいけど、こんな山奥で、この時間…もう寝てる時間だぞ?変じゃないか?」
男①:「何言ってんだ?ありがたいよ。祭りでもやってんじゃね?さみい山ん中で、
車中泊しなくていいかもだろ?」
女:「そうだよ。あたし、お風呂入りたーい!」
男②:「OK、OK!わかったよ。降りれる道探すわ」
女:「ねぇ‥‥‥〇〇(男①の名前)あれ?ホントに祭?ここからじゃ、よくわからないけど、櫓囲んで火炊いてる真ん中にあるの、棺桶じゃない?」
男①:「…葬式って事か?普通、火葬場だろ?」
男②:「奇祭…?」
女:「よくわからないけど、変だよ。〇〇(男②の名前)ライト点けるの待って…」
男②:「ワリい…もう、つけちまった…」
男①:「おい…ヤベェ、ライト消せ!消せよ!手前の奴等が、こっち指さしてる」
女:「ねぇっ、あれ…棺桶動いてる…何、あれ…中から何かが(轟音のような、恐らく女性だと思われる絶叫が入る)」
男①:「ヤベー、ヤッベェッ!ヤベェッ、アレ、ヤベェよ、齧ってる、齧ってんぞ(直後に、
男①が嘔吐をしたと思われる不快音が入る)
逃げろ、あいつ等、怒ってる、こっち来るぞ!オイッ!!エンジン!!」
男②:「駄目だ…」
男①:「何でだよ?お前、冗だ…」
女:「ねぇっ、あの人達、何か叫んでるよ…口、見て…」
男①:「何だよ?それ所じゃねぇよ!早くしろよ、あの黒焦げ野郎、あいつ等だけじゃなく、俺等だって、ヤバいぞ?」
女:「“逃・げ・ろ”…そう言ってる、あの人達…」
男②:「駄目だ…」
男①:「オメェッ!さっきから何言ってんだ?いいから、とっとと…」
男②:「もう…囲・ま・れ・て・る…ライト消す時に見えた…」
女:「ちょっと、何よ、これ?ひぃっ!やだ、やだあぁっ…」
(間髪入れずに男2人の怒号と悲鳴が続き、車を腕で擦るような音、動物とも人間とも思えない複数の鳴き声…後は雑音が録音され続けている)…(終)
「奇祭目撃記録…」 低迷アクション @0516001a
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