吹奏楽部をテーマにした、錯綜する心情を描く本作。青い春をそのまま等身大に映し出したような作品で、清々しい風が吹くような書き口です。 交錯するそれぞれの想いが、青春の風を彩り、幼馴染の気持ちに——恐らく——気付いていない主人公の想いは、先輩に通じたのか。誰にも分かりませんが、複雑な想いを抱きます。 限りある青春の時間の中のワンカットを切り取る、そんな作品に好感が持てました。