第4話報告

<報告>赤いクレヨン及び塗り絵について


ここ数年、異常とも見られる内容の事件が多発している。さらにそれらの事件の半分以上には共通点が見られることが分かった。

・犯人の年齢が30才前半

・犯人の所有物の中に赤いクレヨン及びそれを使用したと思われる塗り絵がある

・犯人の幼少期、同じような事件に巻き込まれたもしくは身近で事件が発生したことがある


これらの共通点をふまえて調査を行ったところ、以上のことが明らかになった。


・クレヨンのパッケージに記載された販売業者は存在しない。つまり、犯人が所有していた赤いクレヨンは購入されたものではない

・この赤いクレヨンの成分に麻薬成分が確認された。これらの事件で発見されたクレヨン全てに同じものが検出されたため、出元が同じといえる


検出された麻薬成分について

…10~20年という長期に渡って精神を侵し、主に思考異常障害を発生させる。

摂取時期は2~10代という極めて狭い範囲の年齢。

クレヨン単独では体内に摂取されず、細かくすりつぶし吸い込むことで摂取される。

例)幼児がクレヨンで絵を書く


詳細は未だ明らかになっていないが、年齢が25~40才の健康及び対面調査を至急行うべし。


真っ赤な塗り絵にご用心あれ。



「よし、終わりっと」

僕はそう呟いて報告書をファイルに閉じる。

これを先輩に提出しなきゃ。

ついでに飲み物も持っていってあげよう。


幼い時に近所の交番に勤務していた先輩の親父さんに、僕は赤いクレヨンを貰った。

今では、彼の息子である先輩と自分は同じ交番に勤務する警官となっていた。


「ふふっ。先輩、喜んでくれるかなぁ?」


先輩に持っていくコーヒーの中に、僕は睡眠薬を10粒ほど落とした。

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赤いぬりえ 犬屋小烏本部 @inuya

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