第15話『チート』に完敗
「ハヤブサ斬りあーんど、『バイバイキルート』を自ら唱えた状態での『破壊しまくり鉄球』を食らいやがれえええええええええええええええ!!」
まあ言ってることで「これは一般人なら確実に即死でしょう」と分かる攻撃を繰り出す女戦士。
「やったか!?」
しかし『とてつもない力を持つもの』はまーーーーーったく無傷みたいである。
「あれ?今の攻撃って全力?」
「て、て、てめええええええ」
めちゃくちゃ舐められているのが分かり怒りが頂点に達する女戦士。と、同時に頭の中によぎる考え。
(今のはあたいの最高の一撃だぜ?それも確実に会心の一撃でぶちこんだはず。なのになぜあいつは普通に立ってられるんだ?嘘だろ?)
「おい!女戦士!真面目にやれよ!」
「ふん!情けない。とはいえ、今の一撃はかなりのものであったはず。何故あのものは普通に立っていられるのだ?」
「あれちゃう?『左から右に受け流す』とか『バリア的な』もんをまとってるとか」
「いや、この世界の魔法や呪文に『魔力を打ち消す』ものはあるし、直接の打撃での攻撃を半減させたり、自らの防御力を一時的にあげるものも存在するが…。あの野郎はダメージすら受けてないように見える…」
「うん。その通りだね。さすが勇者さん。分析が早いっすねー」
「…てめえ。無敵か…。それが『チート』能力か…」
「うん。今のはねー、僕への攻撃をすべて反射させる能力だよ。僕が意識してなくても発動するようにしてるから。何しろ、僕の想像した力が全部使えるのが僕の能力だからねー。いやー、素晴らしい『チート』能力を授かったもんだねえー。これ、『無双』決定だね。『俺つえええ』さいこー!」
「あの野郎!あの女が言ってたことを連呼しやがった!『チート』に『無双』に『俺つえええ』だぜ!!」
「確かにちょっと厄介だわぜ。だが!あんな野郎に負けてたまるかあああああああ!!」
「せやせや!」
「おい!新入り!てめえ、変身しろ!最終形態まで変身しろ!あと八回変身を残してるとかほざいてたろーが!!」
「ごほん!待て。この場はいったん退くしかない。あのものが『ここまで』とは余にも想像出来なかった。今のままでは全員殺される」
「ああ?てめえ!この新入りの下っ端が何言ってやがる!」
「いや、こいつの言う通りだ。ここは一度引いた方がいい。少なくともあの野郎にこっちの攻撃はすべて『当たらない』。想像以上に『チート』って能力は厄介だ。今まで見たこともねえ能力だ。確かに『ご都合主義』だが…。今の俺たちでは『絶対』に『勝てない』…」
「何言ってんだよ!勇者がよお!」
「ごほん!気持ちは分かる。だが勇者の言う通りだ」
「へえー。さすが魔王さんと勇者さんはお利巧さんですねー。まあ、その通り。僕には勝てないよー。攻撃すら当てられないからねー。また出直してきたらいつでも相手したげるよー。じゃあ『アポ』の時間だから!『ハーレム』『ハーレム』ぅー。るんるん。あ、女賢者さん」
「ああ!?」
「女戦士さんもそうだけど、女賢者さんのその胸じゃあ、『ぱふんぱふん』も無理っぽいですねえー。戦闘ばっかもいいけどさあー。もうちょっと、ねえ。女の子らしさも鍛えた方がいいよー。じゃあねー」
「ぶっ殺す!!」
「待て待て!落ち着け!女賢者!」
『ご都合主義』の『チート』によりこれ以上強くはなれないぐらい鍛え上げた勇者たちと新入りの魔王は自信満々に戦いを挑んだ『とてつもない力を持つもの』に敗北を喫した。
これ、どうやったら倒せるのでしょうか?
否世界転生~決着は後でつけましょう。その前にご都合主義の『チート』『無双』『俺つえええ』を強力して倒しましょ~ 工藤千尋(一八九三~一九六二 仏) @yatiyo
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