第6話
「瀬尾君、ありがとう」
俺は、春香を見て口にする。
「どうしたの、春香」
俺を見つめ、彼女は想いを伝える。
「あのとき、私を暗闇の中から引っ張り出してくれた。救ってくれた、私を。瀬尾君が居なかったら、私はこの世から消えていたかもしれない。きっとそうだった。私は、瀬尾君の優しさに、温もりに救われた。瀬尾君と居れるこの時間が大好き。瀬尾君は私だけの優しい王子様。この先ずっと、瀬尾君と共に生きていきたい」
「春香を守れて良かった。春香の笑顔を取り戻せて、とても良かった。俺も春香と居れるこの時間が大好きだ。俺にとって春香はとても可愛いお姫様で、365日、いや、この先ずっと共に生きていきたい。俺と春香だけの愛を育もう。そして、二人の未来をつくろう」
そう言うと、春香は感極まって抱きついてきた。
俺は、春香を抱き締めた。
「うぅ...瀬尾君。大好きだよ」
春香は泣きながら、俺を呼ぶ。
「俺も大好きだよ、春香のこと」
俺は、彼女に囁く。
彼女は一歩下がり、言う。
「私は、瀬尾君の隣で生きていく。ずっーと」
「俺も春香の隣で生きていくよ。ずっーと」
「「一緒に」」
息がぴったり重なり、俺と春香は唇を重ね合う。
春香がさきに大学を卒業して、一年後に俺も卒業し、一ヶ月後に俺、瀬尾奏太と彼女である牧春香は結婚した。
奏太が25歳で、春香が26歳の時にめでたく、双子が産まれた。
双子には萌、華奈と名付けた。
優しい王子様と可愛いお姫様は唇を重ねて 闇野ゆかい @kouyann
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