File.19 強盗殺人実況中! (実況中継殺人事件)
Ep.0 「犯罪者になろう」
憎い。憎い。アイツが憎い。
そんな恨みも晴らすことはできず、趣味のネット小説を読み漁るだけの毎日。ある時、迷い込んだのが「犯罪者になろう」だ。
馬鹿げたサイトではあるが。
なかなか難しい犯罪計画が書かれている。
これは一種の危ないサイトかと思いつつも、ミステリ―専門の小説サイトだと考えれば良いだろう。
最初は復讐なんかの憂さ晴らしのシナリオとして見ていた。悪いものが成敗される様子は見てて爽快、スカッとして心が晴れ渡る。自分が当事者でもないのに、だ。
自分も少しだけ考えた計画を書き込んでみた。これだけなら犯罪教唆にもならない。自分の小説を書き込んだだけだ。
そこからが全ての始まりだ。
突然、登録していた捨てアドにメールが届いたのだ。
『貴方の書き込み、非常に興味があります。誰かを殺害しようとしていたんじゃないでしょうか? もしよろしければ、お話聞かせてください。貴方の願望をかなえてあげましょう』
メールには何処に返信すべきかの記載もあった。
人生の分かれ道。しかし、彼女の言う通りにすれば犯罪はバレないとのお達しもある。あの男を殺しても刑務所に入らない道がある。
メールのやり取りをしている間に段々と肥大していく殺意。希望への期待。
アイツが消えれば。
願っている間に、支配人と名乗る女が目の前に現れていた。メールで会う約束をして、実際に話をしようとした流れは会ったが。そんな会話の記録も忘れてしまう程、あっという間の時間だった。
慣れない古臭いカフェの中で彼女は口にする。
『わたしはマキフィリン。世界を友愛にしたい。そのために悪い人をたくさんやっつけていきたいと思うんだ。その協力をしてくれる貴方に殺人計画、教えてあげようと思うんだ』
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