第7話 (終)

「お」


 先客がいた。


「おうおう。男ふたりでずる休みかあ」


「お前らもだろ」


「わたしは抗議よ、抗議。リレーがないなんて」


「なんかごめん」


「あなたのせいじゃないわよ。あなたの親御さんの苦情のせいよ」


「うん。もうしわけない」


「んな謝らなくていいわよ。なんか怒ってるわたしがばかみたいじゃない」


「ばかだよ」


「そうかあ。ばかかあ」


「まあまあ」


 とりあえず、芝生に寝転がる。


「俺とこいつは走るけど、おまえらは?」


「わたし寝る」


「わたし走る」


「がんばってねえ」


「おう」


 3人が、走り出す。


 いい陽気だ。


 3人。速かったり、遅かったり、その間ぐらいだったり。いつのまにか、リレーみたいな感じで休んだり走ったりになった。


「いいリレーだねえ」


 リレーがなくなる日。


 ずる休みした四人で。


 なんとなく、リレーしてる。


 それが、なんだかおかしかった。


 これぐらいのおかしさが、ちょうどいい。

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リレーがなくなる日 春嵐 @aiot3110

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