黒翼の復讐者

@kakikomu

第1話 ???

聖刻暦1405年、宵の月、十五の日、紅の刻


「やめろ…待ってくれ…な?俺たちは向こうの都合で勝手にこっちに連れてこられた被害者じゃないか?だからーーーーーッ」


???「だから?なんだ。貴様は俺の大事なものを踏み躙った。それが事実でそれが全てだ」


「カハッ、ヴッ、や、やめて、く、れ。ま、まだ死にたくな、い…あや、まるから…ゆ、るして……



"呼吸は…ないな…あとは心臓の音は…ないな…死んだ…まずは1人目だ…"



時は遡り2021年、8月10日、朝8:00

某ウイルスが蔓延し、収束の糸口が見えないまま先輩の日を迎えた厨こと

橘 魁[タチバナ カイ]

男子高校生

フツメン陰キャ

成績普通

運動ダメダメ

ラノベ最高ウェイウェイウェイ

は、短くて長い高校までの道のりを気怠そうな顔で歩いていた。交差点の横断歩道を渡っていると耳に馴染んだ音楽とともに赤信号突撃プリ○スが突っ込んできた。運転手の爺いの目は完全に逝ってて止まる様子もない。突っ込んでくるプリ○スに『もうだめだ』そう思い目を閉じ、運命を全うしようとしたら、次の瞬間大きな音が鳴った。俺は恐る恐る目を開けると、プリ○スの側面に如何にも重そうなトラックが突っ込んでいた。急いで駆け寄り救護を行う。こうしてポイントを稼いでおけば、死後にいいところに行けるんだ!

なんて、冗談は置いておいて今は爺いを助けないとな。大きく抉れたドアには痛痛そうな顔をした爺いが呻き声をあげていた。

「デイサービスに遅れる…」

『あ、やっぱこいつ死ねばいいわ』そんなことを考えながらドアをこじ開けていると額から血を流したトラック運転手らしき30代くらいのおじさん?若い、お兄さんが

「爺さん大丈夫か?頭?」

と、禿げた爺いをバカにしながら降りてきた。トラックは頑丈だから前面が少し傷ついただけで大したことはなかったみたいだ。

それより、まずはこのドアを開けなきゃな。

お兄さんの「せいのっ」という声に合わせて思い切り開けた。なんとか爺いを引っ張り出して、歩道に避ける。あとは…警察呼ばなきゃだけど…流石に誰か呼んでるだろ……流石に朝からこれはハードすぎるぜ…


その後、警察や救急との事後処理を終えて学校に着いたのは10時半になっていた。ただ、心配してくれる奴なんてほとんどいなくて少ない友人に「今あったことをありのまま話すぜ」ってやってたら、幼馴染の夕華が来て、「あんた、またなんかやったの?ほんとに幼馴染として恥ずかしいわ」って言ってきたのでまたポルナッた。なんてしてたらすぐに授業が始まった。教師も俺には触れないし大して心配はされていないようだ。


と、その時だった。床が眩い閃光を放ち、不意に天と地がひっくり返る感覚がした。


次の瞬間には俺は謎のだだっ広い空間にいた。急なことに錯乱した。すると、いきなり大きな声が聞こえた。

「皆さん驚かせてしまい、申し訳ございません。私、ディーテ王国第一王女メアリーでございます。皆さんは信じ難いと思いますが、異世界に勇者として召喚されました」


クラスのあちこちから「おい、勇者だって」

「マジかよ」「なに?現実?」だったりー、「イヤッターー」だったりとさまざまな反応が聞こえる。


メアリーは話を続けた。

「今私たちの世界は魔王とその配下の魔王軍によって侵略されているのです。どうか、私たちのためにお力をお貸しいただかませか?」


ここまではテンプレ。ここからは大体ステータスを見たり、みたいな感じだと思うが…


メアリー「では、今から皆さんにはステータスを確認させていただき、いつでも見られるように此方の腕輪をつけていただきます」


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

黒翼の復讐者 @kakikomu

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ