従として

「おはようございます、お嬢様」


さて、案の定寝起きが悪いのでめげずに何度も声をかけさせていただきます。


「ム。……、ムン」


「朝でございます、そろそろ起きませんと朝餉あさげに間に合いませんよ」


基本食いしん坊なカレン様は朝餉を引き合いに出しますと、ようやっと起きる気になります。


「ぁさ、ごはん、おきる、」


大変可愛らしいですね。

クシャクシャになった赤髪に、一国の姫とは思えない大きいあくびと共にやっと目が開きます。



「ん、リゼ、おはよぉ、」


透き通った湖のような美しい碧色と目が合い私は、、、

毎朝のことですが、いい加減にそろそろ慣れなければなりませんね。

一応私も一国の姫だと言うのにこんな調子では。


「、おはようございます、お嬢様」


「朝ごはーん♪あさごは〜ん」


そんな私の心の独り言に全く気が付かない様子で、今日もお嬢様はご機嫌です。

大変良きこと、このまま私の下心には気づかずに

お嬢様には幸せになって頂こう。

そう今日も誓うのでした。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

曖昧ラプソディー 蓬太郎 @apyoui

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ