第13話 神崎 麗
「ここはどこだろう。俺は、さっきまで、ゲームしてたはずだが?」
真っ白な空間に現れた男は、あたりを見回す。後ろを振り返ると、この世のものとは思えない美人が立っていた。
「ようこそいらっしゃいました。
女神ときき、ここに連れてきた張本人だろうと察し、何の理由で呼ばれたか考える。
(恐らく、これってあれだよな!テンプレの展開だよな?俺tueeeできるのか?いや、その前に、お詫びのチートをもらえるかだな。)
「大変突然のことで申し訳ないのですが、あなたには、これより異世界に行ってもらいます。"勇者"として。これは、断ることはできません。」
そういわれ、内心ガッツポーズをとる、
(転移先のことは、いろいろ不安だが、ここで強力な力をもらえれば大丈夫だ。そもそも、勇者って時点で補正だいぶ入るだろ。)
「勇者になるのはわかりました。ただ、僕は異世界がどういうところなのか分からないので教えていただきたいのです。」
「そうですねぇ。剣と魔法の世界といえばわかりやすいでしょうか。人にはエルフや、ドワーフなどがおり、魔物にはドラゴンや、ゴブリンがいます。」
(なるほど、やっぱりテンプレ通りの異世界だなぁ。後は、スキルやステータスがあるのかだよなぁ。)
「魔法の他に、スキルやステータス、レベルはありますか?」
麗の質問に、女神は
「はい、スキルはありますが、ステータスやレベルというのはどういったものでしょうか?」
(スキルはあるけど、ステータスとレベルがないねぇ。つまり、レベル上げして急激な成長とか、地道に鍛錬や戦いを続けなければならないってことだろ?それは不便だな。頼むとしたら、そのへんかなぁ?)
「ステータスやレベルというのは......」
「なるほど、そういった概念があるのですねぇ。」
「あのぉ。正直、僕は地球では、ただの高校に通ってた学生で異世界で生きていける自信がありません。」
「そうですよね。ですがご安心ください。勇者は召喚されると、必ず、強力なスキルを授かります。そして、身体能力も、普通の人間に比べ、基礎能力は高く成長率や速度も速いです。」
(やっぱ、勇者はすげえなぁ。でも、やっぱせっかくだからゲームみたいにしたいな。)
「やっぱり、このままいくのは不安です。僕の見知った能力に変えていただくことはできませんか?」
「それは、ステータスやレベルによる数値化ですか?対応できるのは、あなたのみになりますし、世界の
(なるほど、俺だけが、ステータスの世界でいきるのか。これもある意味チートだな。しかも、初めて導入するからもしかたらバグみたいのこともあるかもな。)
「優先されるのはどういうことですか?」
「あなたの言う、HPという数値が残っていても、死ぬ場合もありますということです。病気などで。」
(あぁ、そういうことか。確かに病気ならHPと関係なさそう。まあそのへんは、なんとかなるっしょ。)
「大丈夫です。ここまでしていただきありがとうございます!!」
「はい、では、もう準備はよろしいでしょうか?」
「はい!!」
「それでは、」
(よっしゃ、異世界でハーレムつくって、俺t.......
「いってらっしゃいませー!!」
女神の姿が光りだす。そして、光が収まると、そこには可憐な少女が立っていた。
「あぁー、やっぱあぁいう人間って面白いなぁ。こっちには全部心の声聞こえてるっていうのにねー!!」
少女は満足そうに笑っている。
「まあ、ああいう人が行くから世界にとっていいスパイスになると思うんだけどね。でも、あとで、あの子からお説教されるの嫌だなぁ。」
「ちゃんと、世界のバランスも考えて今回は、セーブしたし、大丈夫っしょ。」
勇者とゴブリンの邂逅は近い。
それは、果たして、両者にどのような影響をもたらすのか。
何が起きるかは神さえ知らない。
イケメン、ゴブリンになる。 @lnotami
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