第9話 突然の戦い。
「どういうこと?どうして、戦わなきゃいけないの?」
突然青い目の兄が、ズンッとのめりだし、
「このじいに、お前に勝てなければ、森では生きていけぬといわれたのだ。」
爺さんなんてこと、言ってくれたんだ。理解できないよ。
「しかも、三対一で君に挑めともいわれたよ。ほんとに屈辱的だよね。」
次男さん、やさしい顔で殺気出さないで。もう、ほんとに、爺さん勘弁してくれ。三対一なんて、勝てるわけないよ。まず、戦い方の練習してないし。よし断ろう!!
「だから、戦ってくれるよね。お願い!!(キラキラな目)」
女の子がお願いするとこじゃないよ!!
「どうしても?」
「どうしても!!」
「.......。わかったよ。」
こうして、渋々、戦うことになった。
「ホッホッホ。じゃあ、さっそく、始めるとするかの。」
「始めるのいいけど、どこでやるの?まさかここでやるとかいわないよね?」
なあ、なんで目を逸らすんだ爺さん。ここでやるとか、目立ってしょうがないしいやだぞ。
「ッンン、ちゃんと場所はあるから安心せい。」
そういって連れていかれたのは、森の中。初めて村からでた。村の開けた場所から見る森と、実際中から見る森では景色が全然違うな。というか、森って危なくないのか?めっちゃ不安だぞ。
「翁、森って危険はないのか?前に、ワイルドボアの毛皮見たが、でかくて簡単に勝てるような感じじゃなかったぞ?」
「大丈夫よ、森の浅いところなら、そんなに強い生物はいないの。一番強くてワイルドボアくらいだから、私たちゴブリンは、ここでなら、村を作って生きていられるのよ。何かあっても、じいの魔法で瞬殺よ!!」
俺は、爺さんに聞いたんだが......。まあ、わかったしいいか。てか、この兄弟は爺さんが何者か知ってるのか?
「フン、ワイルドボアくらいなら,俺でも狩れるわ!!」
でかいやつが、なんか言い始めたぞ。うちの|脳筋《ウォーリアー》の父さんも、頑張ったっていうくらいだから、そう簡単じゃないと思うけどな。
「そうだね。兄さんの力と、僕の頭脳、妹の素早さがあれば、何だって余裕さ。」
あぁ、お前頭脳担当だったのか。もしかして、意外とお前も残念な奴か?
「だから、あなたに勝ち目なんてないのよ!!」
なんか、ビシッとこっちに指さしてますが赤目のお嬢さん、別に俺は戦いたくないんだが。
「ホッホッホ。お主ら元気じゃの。もうそろそろ、着くぞい。」
その言葉とともに、徐々に森が開けていき、着いたのはきれいな湖だった。湖の周りには、平地が広がっている。遠くに川もある。
「すげぇ。森の中にこんなところが。」
俺が素直に感嘆していると。
「じゃあ、さっそくやりましょう?」
と情緒ののないことをぬかした。お前女だろう?それはセクハラだ?シランシラン。
「俺たちはいつでも大丈夫だ。」
「そうだね兄さん、さあかかってきなよ。」
「ホッホッホ。気合十分じゃの、ルールは簡単じゃ、殺すのも大ケガさせるのもなし。それいがいなら何だっていい。戦闘不能になるか降参すればまけじゃ。」
仕方ない、痛いのは嫌だし、この三人の実力もわからない。出し惜しみせずに頑張ろう。
「じゃあ、準備はいいかの?。」
「「「おう!」」」「うん!」
よし、やったるか!!
「ホッホッホ。それでは、始めぇええい!!」
「ウォオオォオオ!!そりゃあ!!」
最初に突っ込んできたのはデカいやつ棒をもって上段から殴りかかってきた。ってオイ!!どこから、その棒持ってきた!!
「っと、アブねっ!!」
大振りでよかった。
俺が、素早く左によけると、青い目の大男の後ろには、赤目の女がいて、勢いよく切りかかってくる。ってお前もそのナイフどっから持ってきた!!
「私もいるわよ!!えいやぁぁああ!!」
だが、ナイフは空を切る。こいつら俺のこと殺しに来てない?そんなことを考えていると、
「隙だらけだ、僕が中てる!!二人はアイツが躱したら、すかさず攻撃してくれ!!」
「弓って、お前も武器持ってるのかよ!!」
優男が、弓を射ってきた。なるほど、でかい長兄と素早い妹が近接で、次兄が指示だしと弓による遠距離攻撃か。てか、お前ら、いつ武器準備した?あぁ、こいつらもともと戦う気できてるもんな。初めから持ってたのか。俺って、注意力ねぇな。
俺が弓を躱すと、
「おりゃああぁああ!」「てぇえええい。」
近接二人組がすかさず左右から攻撃してくる。んーなんかこいつら、隙だらけなんだよなあ。でも、俺、戦闘の心得とか、戦いの練習とかしたことないしど素人だよ。でも、三人組もなんか、素人臭いんだよなぁ。
スキルで【剣術】とか【短剣術】とか【弓術】持ってるんだったら、基本的に戦闘の素人に三人組で攻撃をあてれないとか無いよなぁ。
「お前らそれが本気か?」
「なんだと!!よけてるばかりのお前が何を言ってる!!」
「兄さん、きっと僕たちの攻撃を前に攻めあぐねてるんだよ!!」
なんか、青い目の長兄との黄色い目の次兄がなんかいってるが、まあ確かに攻めあぐねている。そもそも、俺武器持ってないし。三対一だし。
「三対一で攻撃を中てれないお前らもなかなかだけどな。」
「お前絶対倒す!!おりゃあああ!!」
「僕が、この弓で射抜いてやる!!せいっ!!」
「私が切り刻む!!」
なんか、かっこいいこと言って三人同時に攻めてきた。どうしようか、素人対素人だったら、単純に肉体の差が影響するよな。それに、恐らくこいつら、なにもスキル持ってないだろ!!
「何、ぼーっと突っ立ている!!」
「【身体強化】【魔力操作】うるさい、まずはお前からだ!!」
俺は、【身体強化】を使って、長兄によって振り下ろされたこん棒を左手で掴む。
「グッ、なぜだ、俺が両手なのに、お前は片手で抑えられる!!」
そして、【魔力操作】を使い、右手に魔力を固定し、腹をぶん殴る。結果、長兄は気絶し戦闘不能に。
「兄さん!!くそぉおおお!!」
「私が、あてる!!」
次兄が弓を射ってくると同時に、妹が攻撃してくる。右手に固定し、せき止められていた魔力を放出し、矢をの軌道をそれさせる。そして、近づいてきた妹を次の矢が射られる前に、身体能力の差で同じく腹パンし倒す。残りは次兄だけ、
「さあ、最後はお前だけだが?」
次兄は、がっくりと弓を落とし、
「俺たちの負けだ。」
降参を宣言した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます