Sixth statue Ⅰ
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ピコン!
<メッセージを受信しました>
寝ているところに突然そんな声が聞こえた。
「んあ?」
なんだ?
メッセージ?
そういえば、そんな機能があったな。
でも、誰から?
<お久しぶりです。佐藤さんはご無事ですか? 突然こんなことを聞いてすみません by オリーブ>
オリーブさんだ!
懐かしいな〜。
元気にしてるのかな。
……っていうか、「ご無事ですか」ってどういうことだ?
なんか変な聞き方だな。
普通「お元気ですか」とかじゃないか?
まあ、とりあえず返事をするか。
<はい。元気ですよ by 佐藤>
わざわざメッセージを送るってことはなにか大事な……。
<メッセージを受信しました>
返信はや!
<無事なんですね! by オリーブ>
そりゃそうだが……。
「んにゃ?」
シャロールが寝ぼけた声を出した。
「どうした、シャロール?」
「う〜ん、なんか来た……」
それって……。
「オリーブさんが無事ですかって……むにゃむにゃ……」
やっぱり。
シャロールは二度寝しかけている。
しょうがない、僕からメッセージを送ろう。
<シャロールも元気です。今も僕と一緒です。 by 佐藤>
よし、これでいいだろう。
しかし、オリーブさんは一体何を考えてるんだ?
<大事な話があります。町の出入り口に今すぐ来てください。私達ももうすぐ着きます。 by オリーブ>
大事な話?
もうすぐ着く?
よくわからないが、急がなきゃいけないみたいだ。
このゲーム、指示通りに動かないとろくなことにならないからな。
「シャロール〜早く起き……うわ!」
布団に手をかけると、クロイムのせいかベトベトしている。
僕はあいつとは寝てないからいいが、シャロールは悲惨なことになっているはず。
だからこいつと寝るのはやばいんじゃないかと思ってたんだ。
「シャロール! 体洗ってこい!」
――――――――――――――――――――
「あれ? オリーブさん、いないな?」
「そうだね」
てっきりもう来ているのかと思ったが、まだ待ち合わせの場所に姿はない。
僕は町の外へと続く道を眺めて、オリーブさんを待つ。
「んー?」
遠くでなにかが……。
「光ってないか?」
「え?」
ドゴォーン!
あたりに爆音が響く。
「なんだ!?」
「佐藤、行ってみよう!」
「おう!」
僕達は光が見えた場所に急ぐ。
――――――――――――――――――――
「あれは……スロウタースコーピオンだ!」
こんなところにまで来ているのか!
そして、近くには馬車とスロウタースコーピオンと対峙している武装した冒険者が見える。
今まさに襲われている最中なのだろう。
「ダメダメダメー!」
シャロールがサソリと冒険者の間に割って入る。
相変わらず、無鉄砲なんだから……。
「私が時間稼ぎをするから、佐藤がなんとかして!」
そんな無茶なこと言われても……。
まあ、やるけど。
確かスロウタースコーピオンの凶暴化は隷属魔法が原因なんだよな。
ということは、あいつも隷属魔法をかけられてるかもしれないんだろ?
なんとか解除できればいいのだが、今はポーションもないし……。
「私のスキルにも限界があるの、早くして!」
シャロールが僕の目の前で叫ぶ。
しかも、後ろからは冒険者達の声が聞こえる。
「やっぱり私のスキルでふっとばすしかないわね」
「いやいや、ここは儂のスキルで一刀両断じゃよ」
「なんとか急所を狙えば私のスキルでも」
ああー! うるさい!
何がスキルだ!
僕はスキルがないんだよ!
……って、僕もスキルを使えばいいんだった。
「スロウタースコーピオンにかかっている隷属魔法が解けない」
フォン。
<スキルが使用されました>
「もう大丈夫だろ」
「うん、そうみたい」
シャロールはおとなしくなったスロウタースコーピオンに別れを告げる。
にしても、なんであいつは石になってないんだ?
僕が去っていくモンスターを見ながらそんなことを考えていると、助けた冒険者達に声をかけられた。
「元気そうね、シャロール」
「え? なんで私の名前を?」
「佐藤君も調子がよさそうじゃな」
「どうして僕を?」
シャロールと同時に振り向くと、そこには見覚えのある人達が。
「お母さん!」
「それにノーチルさんとオリーブさんも!」
そして、馬車からもう一人知っている人が降りてきた。
「お久しぶりです、ケスカロールのギルドマスターのトワイルです」
「詳しい話はホロソーに着いてからにしましょうか」
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