Second spring
=Now Loading=
ここは……。
「森?」
後ろにはゲートがある。
なぜここから?
「どうした?」
ギルド職員が不審な目で僕を見つめる。
「ああ、いえ」
「何もありません」
僕はとりあえず歩き出した。
確かこのゲームにはオートセーブがあるんだったよな。
ヘルプにそう書いてあったはずだ。
ということは、あそこがセーブポイント?
でも、なぜ?
オートセーブがあるということは何か重要なイベント……なのか?
ボス戦とか?
確かにあいつらは今までのモンスターとは一味違う。
連携もしてきた。
しかし、弱ったな。
こんなところから始まったら、装備を整える暇もないじゃないか。
あのモンスターについて、ヒュイさんに訊いたりもできない。
ポヨ!
「ん?」
何かが足に当たった。
こいつはさっきの黒いスライムか……。
別に何もしてこなかったし、殺す必要もないか。
……ただ、スライムは粘液で草を枯らすんだよね。
素手で触らないようにしよ……。
問題はこの後のモンスターだ。
たぶん、鳥と犬と猿型のモンスターだ。
……なんだか桃太郎みたいだな。
ジュワ!
なんの音だ?
「熱い!」
背中が焼けるように熱い。
な、なんだ……。
ガシャーン!
僕が後ろを振り向いた拍子にしっかり着けていたはずの鎧が落ちる。
「こ、これは……!」
溶けている。
鉄の鎧に穴が……!
ぐっ……!
背中が猛烈にヒリヒリする。
後ろには誰もいな……。
まさかあのスライムか……?
スライムが僕にすり寄ってくる。
もう限界だ……。
僕はあまりの痛みに気を失……。
――――――――――――――――――――
「あら~?」
「ダークスライムがやったようね」
「ふん、奴は我らホーリー……」
「待て、やっただと?」
「そうよ」
「ねぇ、おじじ?」
「信じられんことじゃがな……」
「奴は相当な阿呆なのじゃろう」
「ぷっはっはっは!」
「ダークスライムに……やられたー!?」
「ひーっ! おもしろい!」
「あ~ん!」
「そんなに大声で笑わないで!」
「唾が飛んで、汚いじゃない!」
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