第七章 初夜
第七章
それから毎日、夜になると
人間の男で、歳も近く、いつも傍にいれば、簡単に落ちた。
決定的となったのは
「明日、一度尼寺に行こうと思うんです。」
「何のために?」
「
「
本音を言えば
「そうですね。そうします。定例会議がある時に
「
唐突に
「私は本当に人付き合いが苦手で、自分が考えていることや思っていることさえ、上手く伝えられないんです。感情の起伏もあまりなくて、暖簾に腕押しってよく言われるんです。それなのに、こんなにつまらない人間なのに、
小子はそう消え入りそうな声で言った。
その言葉で十分だった。
「
山の出口でそう呼び止めた。振り返った
「後で部屋に行く。先に帰ってて。」
そう耳元で囁くと、
高揚した俺の気配を感じ取って、
「
「高笑いが止まらない。そんな感じだ。」
「
「自重しなければな。だが今宵は無理だ。皆も祭りだと思って騒ぐといい。」
困り顔の
俺を部屋に招き入れながらも、緊張して一言も喋れないでいる小子にそっと囁いた。
「
「はい。」
「あの・・・私・・・」
「分かってる。」
まるで自分は熟れた果実だと、早くもいでくれと言っているようだった。望み通り、何度も熟れた果実に手をかけ、もぎ取った。その度に
外が白やんで来た頃、ようやく
「相手が人間の男だったら死んでいるぞ。」
眠っている
庭に気配を感じた。
「
無粋なことを聞いて来た。無邪気なだけであるのは分かっていたが、イラついた。
「精魂込めて田畑を耕し、種を
「???どういうことでしょう?」
「俺の種を
「ああ。」
「
「そうだ。正真正銘夫婦になったが、まだ小子の腹が決まっていない。俺の正体に気づいたら、逃げるかもしれない。だが子ができてしまえば腹を括るだろう。俺に惚れているし、子のためなら俺について来るはずだ。子ができたら時期を見て正体を明かし、
「そうですか。それでは畑仕事に精が出ますね。」
婉曲な表現を使った。
「奥方様の大きな声が何度も聞こえたので、トシ子と心配していたのです。
「
「承知致しました。トシ子にもそう言っておきましょう。今風呂を沸かしています。お好きな時にどうぞ。」
それから一時間後に
「
名前を呼ぶと、嬉しそうに笑みを浮かべた
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