この作品の特徴はなんといっても最初から最後まで「いじめる側」が自己を正当化し続ける内容だということ。あんな奴はイジメられて当然だ。意気地なしで意見も述べられない陰険なぼっちだ。先生や皆だってそう思っている。だから、誰も私が悪口を言っても止めないし、諫められもしないんだ。
ふふふ、本当にそうですかね? ダメなのは彼女だけですか?
とってもとっても意地悪な内容であり、困ったことに私はこういった意地悪が大好きな類の人間なのです。イジメる側とイジメられる側は表裏一体であり、実際は本人たちが思っているほどに「差はない」という本質を見事に捉えていました。
そうそう、それからもう一つ。陰口でも叩かれる内が華。存在を忘れられるのが最悪というのもまた人生の本質でした。人間万事塞翁が馬。どれほど盤石に思えても明日はどうなるか判らない。だからこそ重んじるべきは調和であり、自分たちは社会を構成する歯車の一つだと知っておかなければならないのです。
そうすればまぁ…有事にも取り乱さずに冷静でいられるかもね? ひょっとすると!
オチがスカッと笑える意地悪紳士向けの作品。
社会の構造というものを学びたい貴方へ、おススメです!