まるで何かの呪文のような…

『バンガオオガクル』
一見すると何かの呪文のようにも思えますし、物語を読み進めるうちに“そっちのことですか”と納得する気持ちにもなります。

父と子の物語です。無邪気な子供らしい息子が拾ってきたボールのような不思議な物体から父と子の日常が狂い始めます。

毎日同じ時間になると光を発して点滅するそのボールのような物体。
そしてその物体から聞こえる
“バンガオオガクル”。
不気味なのですが、主人公とその息子のキャラクターからか、途中はあまり怖さは感じませんでした。
親子の日常がまた読み応えがあります。
ですが、やはりミステリーでホラーですね。

ただ、ただ、“バンガオオガクル”と鳴るボールのような物体の正体とその“バンガオオガクル”の意味は何だろう…

読み始めたら最後まで読まずにいられなくなります。

なのでそれは、読んだ方が感じて想像してみてください。

ボールみたいな物体が落ちてたら子供なら拾ってしまうだろうし、不気味だと親が感じて「捨ててきなさい!」と言ってもなかなか手放せないだろうなと読んでいてリアリティーを感じました。

自分の息子が拾ってきたらどうするのだろう?拾っちゃいそうだなぁ…絶対に拾ってきちゃう(苦笑)

そんな次々に連鎖していく不思議な怖さを感じる作品です。