私の天使
雨世界
1 こんにちは。私の天使。
私の天使
登場人物
浅香青花 小学六年生の女の子 十二歳 白い翼を持っている
声のない白い幽霊の女の子 十二歳(見た目) 人の真似をする癖がある
魔法の鳥がこの中の魂 誰の魂なのかはよくわからない
プロローグ
こんにちは。私の天使。
本編
私に白い翼をください
空が飛べるように。
あの大きな、遠い空の彼方まで、いけるように。
私に翼をください。
綺麗で純粋で、強い力を持った二枚の大きな白い翼をください。
不思議な森の奥深い場所
……繋いだあなたの手は、とても冷たかった。
「えっと、どちらが森の奥に続いている道か、わかりますか?」
ある理由によって不思議な森の中に迷い込んでしまった浅香青花は、魂だけの存在となっている(ふわふわと空を飛ぶ、真っ白な雪玉みたいな、あるいは大きな綿毛のような姿になった)誰かを閉じ込めている不思議な魔法の鳥かごを持っている深い森のなかで偶然に出会った親切で真っ白な声を出すことができない女の子の幽霊さんに聞いてみる。
すると幽霊さんは指を顎に当てて首をかしげるジェスチャーを青花に返してくれた。
どうやら幽霊さんにも、どちらの道が正解かわかならいらしかった。
「そうですか、では、そうですね。右……、いや、やっぱり左の道を進みましょう」
青花がそう言うと、幽霊さんはこくんとうなずいて、歩き出した青花の後ろに伝くるようにして、空の中をふわふわと飛びながら、青花の言った通りの道を進んでくれた。
「ありがとうございます」
青花がお礼を言うと、幽霊さんはにっこりと微笑んでくれた。
優しい人ですね。
まさか、こんな場所で、こんな優しい幽霊さんに出会えるなんて、私は本当にラッキーです。(そんなことを思って青花にっこりと笑った)
そのまましばらく青花たちが左の道を進んでいくが、残念なことにその先は行き止まりだった。
青花の選んだ道は大きな岩によって塞がれるようにして、通れなくなっていた。
私の天使 雨世界 @amesekai
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