紅天と過去 四


「朝からうるさい。家、燃やすよ?」

「おっはよー!!」

「朝からみんなして相変わらずパワフルだな」


続々と起きてきた耀とジョウ、優鶴。


「おはよう。朝から恐い発言やめて」

「結構本気だった」

「いやいや君も住んでるんだからね?」

「皆さんおはようございます!もう少しで朝食できますっ」


食事は嫌々ながら七人全員で揃って食べれるようになった。ただ無言でとても気まずかった。


「そういえばなんだけどさ〜俺。紅天ちゃんには悪いんだけどお盆は本家に帰るから」


千鶴の一言にジョウも言った。


「俺は家に一度帰ろっかな。本家のもそうだけど家筋のお墓参りしなきゃ」

「あ、あの…本家?ってなんですか?」

「あ。そういえばまだ話してなかったね」


千鶴は説明をした。

栄西さかにし家は代々と続く由諸正しい家柄である。

本家というのは栄西家当主の家を指し、栄西家の中にも本家と血筋がかなり濃い者が本家側の人間、うちと呼ばれ血筋は薄いが栄西家の人間である人のことをがいと呼ぶ。

超能力を持った者は本家側の人間であるのがほとんどだ。


間口まぐちが広い大きな門の中には栄西の家が沢山とあり、内も外もほとんどと言える栄西家の血筋の人が住んでいる。


「な、なるほどです…。了解しましたっ!あの、その間はここで待たせて頂いても…」

「それはもちろんだよ。ここは紅天ちゃんの家でもあるんだからね」

「ありがとうございますっ!!」


良かったですっ…。千鶴さんは謎が深い方ですが優しい人であることは確かです。


一安心する紅天に千鶴は言った。


「でも一人じゃ不安だね。琥珀か空颯。どっちか紅天ちゃんとちゃんと一緒に居なよ?」

「は?!なんで俺なんだよ!!」

「俺は別にいいけど」

「二人ともどうせ本家に顔も出さないだろうし墓参りにも行かないんでしょ?」

「っ……わぁったよ」

「じゃあ決まりね」

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てんとう虫と超能力者たち なかたろう @nakataro_

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