相思相愛らしい
そう思うともう私の気持ちを止める事が出来なかった。
今まで押さえつけていた分、一気に解き放たれた感じである。
止めろという方が無理である。
「永岡?」
「うん?」
私なんかじゃ無理だってわかっていてもほんのすこしだけでいい。
届け、私の想い。
そして私は永岡のネクタイを掴み取ると勢いだけのキスをする。
「えっと……その……サヨナラ!!」
は、恥ずかしすぎる!!
「あ、おいっ!!」
正直無計画にキスしたため無性に恥ずかしさが込み上げて来るのと、永岡からキスに対する答えを聞くのが怖かった為私は文字通り脱兎の如く永岡を残して逃げ出した。
とんだチキンである。
「………ったく」
◆
翌日、逃げた所で永岡とは結局同じ教室のクラスメートであるという事に登校して気付いた。
教室に入ると始業開始マジかとあってか殆どのクラスメート達は登校しており私の心境など御構い無しに各々適当に雑談して時間を潰していた。
「なんでよっ!?」
そんな中クラスに女性の声が響き一斉にクラスメート達は声の方を向き始める。
「ごめん」
「なんで私じゃダメなのよ……」
そして次の瞬間には静まり返った教室に頬を叩く乾いた音が鳴り響く。
それと同時に件の女性、私が永岡の彼女だと勘違いしていた女性が教室から出て行く姿が見えたと同時に叩かれたのが永岡であると気づく。
「あ…」
「………」
そして永岡も私に気付いたらしく近寄って来る。
「見ちゃった……凄かったね…ははは」
「一緒に放課後デートしようと言われたから矢野の事が好きだから無理だと断ったらこのザマだよ全く」
「そりゃ災難で」
どうやら私達は相思相愛らしい。
相思相愛らしい Crosis@デレバレ三巻発売中 @crosis7912
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