自分が疑問に思ったことの考察、ないしは感想

瑠璃ヶ崎由芽

火星や月をテラフォーミングするって真面目に考えて宇宙侵略じゃねって話


 宇宙開拓時代になって、火星や月を本格的にテラフォーミングするようになった時、たぶんみな火星や月に居住することを最終目標としているだろう。でもそれって侵略の一種ではないかと私は思う。まあ、これはそもそも火星や月は誰のものなのかという問題から始まる問題だと思うのだけれど、地球はもちろんそこに住む動物たちが居住するための惑星。じゃあ火星や月には動物、生命体でもいいけれど、それはいるのかというお話にもなってくる。今現在、月にも火星にも明確に生物の存在は確認されていない。だったら誰も住んでいないのだから、地球人が住んでもいい。ってのはちょっと引っかかる。


 そもそも、これはほとんど人間だけの話であって、その他の動物はほぼ関係ない。地球の歴史で見ても、日本だって元々は蝦夷と琉球は日本に含まれていなかった。もはや侵略行為そのものみたいな感じで、日本の国土の一部となった。じゃあ、無人島ではどうだろうか。無人島は読んで字のごとく人がいない島。でも、誰かが所有していたり、国に属している。そこに居住しようにも、やはり誰かの許可は必要だろう。じゃあもっと時代を遡って、人々が居住をするようになった時代。人々が集まって国を作り始めた時代。その時でも、言語があったかどうかは知らないけれど、取り決め、ないしは戦争をして領土を決めていたはず。


 結局言いたいことは、おそらく誰のものでもない、誰が住んでるわけでもない火星や月を地球人が自分たちの都合だけで自分たちが住みやすい環境に変えてしまってもいいのかということ。もちろんそれで困る人、困る事、惑星に及ぼす影響なんて素人の私がわかるわけないけれど、なんとなく腑に落ちない。火星をテラフォーミングし、住みやすい環境を作り上げるっていうのは、自分の中のイメージとしては日本が蝦夷や琉球を攻め入って自身の国土にしたのと同じ感じがする。


 たぶんきっとそう思ってしまう原因になっているのは、宇宙に関する取り決めがないから。完全なる無法地帯、法律もなければ規則もない。だから何をしても誰も怒りはしない。罰則があるわけでもない。でもだからと言って何をしてもいいってわけじゃない。誰のものでもなければ、自分のものにしていいのか。そこが引っかかるところだ。それを宇宙全体で取り決められればいいのだけれど、残念ながらそもそも地球人以外の知的生命体が確認されていない今の世の中では、宇宙人同士の宇宙の法律や規則の取り決めができない。いるかどうかも分からないのに、決めようがないから。じゃあ、地球人の中で取り決めてしまえば、どうせ地球人に好都合のように取り決めるに決まってる。これが向ける矛先のないモヤモヤである。


 そしてこの火星や月開発で懸念されるのは、戦争。かつての冷戦みたいに、各国が競争のように領土をまるでビーチフラッグみたいに我先と籏を取りに行くのだ。最初のうちにはきっとみんな仲良く共同でやるだろう。おそらく研究者とか宇宙開発局とかが共同で情報を共有して行うと思う。でもテラフォーミングが終り、さあいよいよ人々が住むぞ、という段階になった時、政治的案件になってしまうのだ。その広い領土を誰もが欲する。自分の国土を広げ、やりたい放題できるのだから。そうなると、かつて世界がしていたように、また領土争いが勃発して、戦争が起こる。これは間違いないと思う。たとえ、誰か機関の主導で平等に分配できたとしても、経済的に何か起こり、第二次世界大戦みたいに領土を侵犯して世界戦争みたいなことになったりするのだ。人には欲望と知能がある以上、争いはさけられないと思う。人は人を傷つけることを知っているから。力でねじ伏せて、言いなりにすることが出来る事を知っているから。


 もちろんたぶんそういう分野に携わっている人たちは『もうとっくの昔にそんなこと考えてるよ!』ってツッコんできそうだけど、もう『自分たちの世代だけが楽しく生きられればいい』時代は終わったのだから、これからの未来について考えていかなければならない時期に人類は入っていると思う。そもそも人間以前に動物の生きる目的は、子や子孫を残して未来に『種』を残していくことなのだから。

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