500文字で完結する話

自動運転システムが完成した未来

　今よりもちょっと未来の話。今日は家族で買い物に行くどこかの家族のお話です。今はすべての車が自動で運転できる。手動より自動の方が安心できるとほとんどの人が思っている。しかし、まだハンドルはついているが、ハンドルを使うのは敷地内のみだ。

「今日はどこに行くの？」

「大きめのスーパーに行くよ」

　今日はその店はやっていません。

「やってないって。なら、いつものスーパーね」

「えー」

「文句言わないの」

カーナビで設定すれば完全自動で目的の場所まで運んでくれるのだ。

　しばらく自動で進んでいると…

"システムにエラーが発生しました。手動に切り替えます"

"切り替えられませんでした"

"緊急ブレーキ作動させます"

"作動できませんでした"

"強制ブレーキを起動出せます。衝撃が出ます"

この時、同時に何万台の車が同じような症状になった。しかし、事故があったのは数件だった。原因はハッキングによるものだとわかった。犯人曰く「自分の力を試したかった」と話している。

　もし、車が自動になって遠隔操作ができれば簡単にハッキングできるだろう。そうなれば、衝突事故は減るが、新たな事故も起こる可能性が…まだまだ自動運転には課題があるのかもしれない。