羽の生えた少年

 これは少し昔の話である。あるところに羽の生えた少年がいた。羽の生えた少年は親からも、周りの人間からも忌み嫌われていた。少年は周りの人間に憧れていた。

 少年は羽を切ろうとしたが、それは痛い。とても痛い。少年は飛べるのかな?そう思って飛んでみた。少しだけ飛ぶことができた。それから毎日空を飛んでいた。

 ある時、親が羽を切るため切ろうとした。少年は抵抗し、家を出ていった。それは夜のことだった。

 少年は長い時間飛んでいた。どれくらい飛んだかはもう、わからない。日が開けてきた頃、少年は疲れて墜落してしまいそうになった。

 すると村が見えた。その村では自分と同じように羽の生えた人間がいた。その村では羽の生えた人間以外に、角の生えた人間、尻尾の生えた人間もいた。そこには角も尻尾も生えていない少年が憧れた人間も一緒に住んでいた。少年は思った。この村に住みたい。そう思った。村に近づくと、一人の人間が近づき、案内してくれた。少年は飯を食べ、良く眠った。その後に話を聞いた。

 この村は様々な見た目をした人間が住んでると言う。前の村では皆、迫害を受けたが、今では楽しく暮らしている。

 世界はこうあるべきなんだ。少年はそう思った。

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