おまけ
「うん…そう、ありがとう」
探検隊の朝、目覚ましになったのは隊長とラッキービーストの話し声だった。
「おはようなのです、隊長」
ワシミミズクはたった今起きたかのような素振りで階段を降り、隊長に声をかけた。
「おはよう、ワシミミズクさん、そうだ、今さっきラッキービーストから通信が入ったんだけど…」
「博士がこっちに来るのでしょう」
「なんで知ってんの?」
隊長がなんで知ってんのとでも言わんばかりに驚いた表情をしている、というか普通に言った
「かしこいアシスタントのワシミミズクですから、これくらい分かって当然なのです。博士の事なら誰よりもよく知っているのですよ」
「へぇ…でもそれならもっと喜んでもいいんじゃない?」
「今にわかっていたことですから」
隊長はにやにやと笑った
「またまたそんなこと言っちゃって、ワシミミズクさんがログインボーナスの招待券一枚誤魔化したの知ってるんだからね」
「なっ…なんの事だか」
いつも無愛想に見えるワシミミズクさんにも可愛い所があるなと隊長は少し笑った
「そう言えばこれも知ってるかな、シロサイさんも今日正式にこっちに来るんだって、ふたりとも夜には着くみたい」
「へえ、それは知らなかったのです、ちゃんと別れが言えたみたいですね、博士と違って」
「別れ?」
「こっちの話なのです」
その時ドタドタと部屋を駆け回る足音が聞こえてきた
「おはようございます!隊長さん!」
勢いの良さなら探検隊一と評判高いドールは朝から元気そうだ
「おはようございます!ワシミミズクさん!」
「おはようなのですよ、ドール…そういえば」
「?」
「お前は昨日、月を見ましたか?」
「月ですか?見ましたよ!少し欠けてるけど丸くて綺麗でした!」
「…そうですか」
「月がどうかしたんですか?」
「いえ…ただ約束しただけですよ」
「約束?誰とですか?」
「私の大切な人です」
月の丸い夜にまた会いましょう
それは大切人と交わした最後の言葉
…夜が待ち遠しいのですよ
そう思うとワシミミズクは少しだけ笑った
あなたに恋をしていたんだ モノズキ @monozukihurennzu
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