第8話 姉さん!?

「ただいま」


「あ、おかえり。優」


と誰もいないと思っていた家から懐かしい声が聞こえた。


「…は?え、姉さん!なんでいんの!?」


「ん?あれ?母さんから聞いてないの、この家から近い部署をずっと希望してたから異動することになった。それで、明日からはここから通うことにしたの」


「全く聞いてはないけど、理由はわかった」


橘 春香。歳は離れているけど血の繋がった実の姉である。専門学校を卒業し、今年で社会人3年目である。


「ねぇねぇ、優、聞きたいことは色々あるけど、さっきの女の子はもしかして、彼女?」


めっちゃ期待をしながら、姉さんが見てくる。


「彼女じゃないよ。入学式の帰りに助けてから仲良くなったクラスメイトだよ」


「ふーん、本当にそれだけ?」


「そうだけど?」


「えー?その割には仲が良かったわね。今まで、女の子とはあまり仲良くしてこなかったのに」


「別に仲良くしてこなかったわけじゃない」


「へぇ〜、それで優はあの子の事どう思ってるの?」


「どうって?何が?」


「そりゃ当然、あの子のことが好きなのかってこと。恋愛対象として」


「な、なんで、そうなるんだよ。特に好きとかじゃない。それに、もし、好きになっても俺じゃあ釣り合わない」


そう、彼女は頭も良くで容姿も完璧。到底、俺では、釣り合うわけが無い。


「はぁ、恋愛に関してはそんな事は関係無くなるよ。…せめて、あの子の気持ちが分かればなぁ…」


「ん?最後の方、上手く聞こえなかったんだけど」


「恋愛に釣り合う釣り合わないは関係ないってこと」


「ふーん」


それだけじゃない無いんだけど、まあ、いいや。


「それでこの怪我は…」


「今さっき、言ったと思うけど、入学式の帰りにクラスメイト助けた時に怪我した」


「なるほど〜、一緒に帰ってきた女の子を助けた時に怪我したってことね」


ニヤニヤしながら、俺の事を見てくる。なんかムカつく。その後も、色々聞かれたが適当に流した。…そういえば、姉さんに聞かれて気づいたけど相川さん達の連絡先交換してないな。明日、春樹もいる昼休みに聞いているか。そんな事を考えながら、眠りに着いた。

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入学式の帰り道、助けた美少女が俺に何故か猛アプローチしてくるのだが? しまドン @Takufumi0827

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