第2話   この世界の中で

俺は、この世界に生まれて、自分でも気づかない内に、この世界でいう家族というモノができた。


俺の家族はというと、父の玄也、母のユウコ、姉の華、そして白くて大きなフワフワの生き物だ、家族はそれをミルキーと呼ぶ。


姉は言葉を話せるが俺は話せない、何故かは俺にも分からない。

父は朝いつも何処かへ出掛けていき、母と姉は俺を【いつもの場所】へと連れて行きその後何処かへ行く。


皆の行き先など、俺には知る由もない。


【いつもの場所】とは、保育園という所らしい。

朝早くから夜遅くまで誰かがいる、だが、いつも最後まで残っているのは俺と俺の世話をしてくれる誰かだ。


今日も1つの部屋で何人かで食事をしたり、お菓子を食べたり、暖かい部屋で眠ったり、いつも通りの日常を過ごしている。

『あぅ、ゔー、こっこっ。』

上手く伝えられない、それでも俺の周りの人は優しく接してくれた。


まあ、大体は予想と反した行動をするが、、。別に構わない。


外が暗くなると母が、

ユウコ

『蓮也ー、遅くなってゴメンねー。帰ろっか』

『、、、泣』

ユウコ

『はいはい、ゴメンねー、、、。遅くまですみません、ありがとうございました。』

先生

『遅くまでご苦労様です。また明日ね、レン君。』


よくあるやり取りだ。

こうして俺の1日が終わる。外は寒いが、この時だけはいつも暖かい気がした。


家に帰ると、、、『わぉぉぉぉぉーん』

『ミルキー、はい!ご飯どうぞ?』

白い大きなフワフワだ、俺の8倍はある大きさだな。

『ユウコー、ビール。華!宿題はやったのかー?』

『、、、。』

『ご飯食べてからしようねー』

『また甘やかすからー、、、。』

『はい、食べよー。いただきます!』

《いただきまーす》





パシャッ、ピチャッ、バシャバシャパシャ。



お風呂は気持ちがいいものだ。


泡は苦手だが、温かいお湯に入れてもらうのは嫌いじゃない。


『ユウコー、お風呂上がるよー、蓮也出してあげてー!』

『はーい』

(気持ち〜、あぁ〜タオルの肌触りが堪らん、特に角がイイ)

『華〜、宿題して早く寝るんだぞー』

『はーい』


こうして俺の1日は終わっていく、、、。






『もっとしっかりしろよ!』

『ちゃんとやってるよ、何がダメなの⁈』

『お前がそんなだからだろーっ!』

『、、、。』

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出会わなければ、、、、。 @Sizu5

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