2020年11月の20句⑤
立ってるだけのアルバイト日給八千円
アポカリプスと言おうとして舌を噛み切りし友に捧げるバラッド
何もいない水槽をじっと見る
とりあえず飲み会という発想への深すぎる絶望
いざというときホチキスでも殺れるようにしとけよとサークルの先パイ 大学は怖いところです
終点までぼんやり眺める不美人のいた座席
ハローワークへと続くこの長い道のり
ブラックライヴズマター、メイビー
マックでいいやはお昼じゃなくてバイト先
メキシコの麻薬カルテルの恐怖を語る美大生
アスファルトにこびりついた蛙を靴の裏で剥がす
離婚知らせる年賀状を肴にハイボール
行く手に誰もいないのにフェイントかける散歩道
やはらかき我が余り肉をおっぱいと思わば思え
一生分の嫌な思いをする同窓会
酢飯だから「す」と書かれた冷凍ご飯
ヤンキーの得意気に歌う一生一緒にいてくれや 2021新春
ティッシュを食べながら歩く人を見た
バレー部員らが見上げし空にU.F.O
五分休憩 出ない小便を絞り出す
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