金はきっちり払ってもらいますよ

マキシム

金はきっちり払ってもらいますよ

ここは東南にある国、シベリアン王国、城の一室で3人の男女が話し合っていた


【オールド・シベリアン】

「リリアナ嬢、私はこのカミラ・オーレン男爵令嬢と一緒になりたい。すまないが婚約解消をしてほしい。」


シベリアン王国王太子のオールド・シベリアンは婚約者であるリリアナ・マネーズ公爵令嬢に婚約解消を命じた


【リリアナ・マネーズ】

「殿下、本当に婚約解消をお望みですか?」


【オールド・シベリアン】

「あぁ、もちろんだ!」


【リリアナ・マネーズ】

「二言はございませんね。」


【オールド・シベリアン】

「くどいぞ!リリアナ!」


【リリアナ・マネーズ】

「これは御無礼いたしました。では・・・・」


リリアナはどこから出したの知らないが1枚の紙をオールドに見せた


【リリアナ・マネーズ】

「殿下が借金した2000マンエン、きっちり耳を揃えて支払ってもらいましょうか!」


リリアナの持っていたのは借金の請求書だった、それを見たオールドは青ざめていた


【オールド・シベリアン】

「り、リリアナ。い、一旦、落ち着いてくれ。」


【リリアナ・マネーズ】

「殿下、私は落ち着いておりますよ。貴方が我が公爵家に借りた2000マンエン、返してもらいますよ。」


リリアナの実家であるマネーズ公爵家は貴族の中では、珍しく算術に長けており、また特産品による莫大な利益を上げていたのである。副業で金貸しをやっており、金に困った貴族に金を貸して、借金や利息や手数料を取っているのである。ちなみにオールドはマネーズ公爵家に2000マンエンの借金をしていたが、カミラ男爵令嬢に一目惚れし、借金の事をすっかり忘れていたのである。ちなみに2000マンエンの使い道は主に遊びに使っていた


【リリアナ・マネーズ】

「それとカミラ嬢?」


【カミラ・オーレン】

「は、はい!」


【リリアナ・マネーズ】

「貴方の実家であるオーレン男爵家も我が公爵家に借金をしているけど、ちゃんと返してもらいますよ!」


それを聞いたカミラはオールド同様、青ざめた表情になった。リリアナは獰猛な笑みで2人を見つめていた


【リリアナ・マネーズ】

「それでは早速、陛下に御報告いたしましょう。」


【オールド・シベリアン】

「ま、まってくれ!婚約解消を取り消す!」


【カミラ・オーレン】

「で、殿下!」


【リリアナ・マネーズ】

「だから何ですか?」


【オールド・シベリアン】

「借金は必ず返す。だから父上には知らせないでくれ。この通りだ!」


オールドはすぐさま土下座をした。カミラ男爵令嬢もリリアナに土下座した


【リリアナ・マネーズ】

「殿下、カミラ嬢、貴方たちの土下座なんか1エンの価値もないのですよ。」


2人の土下座を嘲笑うリリアナのその姿はまさしく悪役令嬢である


【オールド・シベリアン】

「ブシの情けがあってもいいではないか!」


【リリアナ・マネーズ】

「婚約者を放っておいて、他の女と浮気をする貴方はどうなんですか?」


私がそう言うとオールド殿下は何も言えず、黙ってしまった


【リリアナ・マネーズ】

「殿下、貴方は所詮、親の七光りだけで飯を食ってきただけの価値しかないんですよ。」


【オールド・シベリアン】

「り、リリアナ。」


【リリアナ・マネーズ】

「我がマネーズ公爵家は誇りよりも銭勘定を重んじます。誇りだけでは飯は食えませんから。」


現実的なリリアナの言葉にオールドは完全に言葉を失ったのである


【リリアナ・マネーズ】

「それとカミラ嬢、貴方もちゃんとした男を選びなさい。それじゃあ、ごきげんよう。」


そう言うとリリアナはそのまま立ち去り、オールドとカミラはその場でポツンと座っていることしかできなかった。リリアナは国王に婚約解消の報告をした。国王から思い止まるよう、お願いをされたがオールドがした借金の請求書を見せた途端、諦めた。その後、オールド・シベリアンは王太子の座を剥奪、借金奴隷に降格、借金の返済に従事した。続いてカミラ・オーレン男爵令嬢はオーレン男爵家は改易、借金奴隷に降格、借金の返済に従事した。ちなみに借金は国王が肩代わりをした。借金奴隷となったオールドとカミラは雇い主であるリリアナの前に引き据えられた


【リリアナ・マネーズ】

「さぁ、オールドにカミラ、ここがお前たちの仕事場だ。」


リリアナに案内されたは場所は地下都市の建設地である。2人はここで借金返済のために汗水を流し、死ぬまで働かなければいけないのである


【オールド・シベリアン】

「り、リリアナ・・・・」


【リリアナ・マネーズ】

「あぁ(怒)」


【オールド・シベリアン】

「ヒィィィ!り、リリアナ様!」


【リリアナ・マネーズ】

「何かしら?」


【オールド・シベリアン】

「い、いつになったら、で、出られるのでしょうか。」


【リリアナ・マネーズ】

「お前たちの働き次第だよ。お前たちの働き次第で早く出られるか、地下都市建設に一生を終えるかはお前たち次第。」


【カミラ・オーレン】

「そ、そんな、殺生な!」


【リリアナ・マネーズ】

「黙れ!この腐れ外道が!てめえらはもう王族、貴族じゃねえんだよ!借金奴隷なんだよ!ほら、さっさと働かんかい!」


リリアナは鞭を取り出し、2人を叩いた


【オールド&カミラ】

「はいいいいいいいい!」


オールドとカミラは地下都市建設に従事し、結局は娑婆の世界に出ることなく、その生涯を閉じたのである


【リリアナ・マネーズ】

「ふん、私を裏切った報いよ。」


世の中、金と豪語するマネーズ公爵家、その公爵家に生まれたリリアナ・マネーズは人々から【金貸し令嬢】と呼び恐れられたのである


【リリアナ・マネーズ】

「世の中、やっぱり金だわ。」


リリアナはお札にキスをして、にっこりと微笑むのであった



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