【極感謝】★1700記念SS ⑫
「うん・・・うん・・・そうなんだ。それは良かった。それじゃあ・・」
海斗は画面をタップして通話を終了した。
「海斗クン。例の高校の同級生?」
リビングのソファに座る高橋ミキが心配そうに声をかける。
海斗は眉を寄せて暗い表情をしていたのだ。
「うん、そう。幼馴染の奏良とよりを戻したって報告だったよ」
「へえ、そうなんだ」
ミキは海斗の顔を覗き込む。
「その割には、うれしくない?のかな?」
海斗はミキを心配させないように少し微笑んで、覗き込むミキの髪に触れる。
「そういうわけじゃないんだけどね、これで終わりじゃない気がして」
「そうなの?」
「まぁ・・・奏良は・・ちょっと大変だかね・・・」
そして、小さくため息をつく。
「それに、仕方ないけど知っている相手を突き放すようなことをするのは、精神的に・・・ちょっと厳しいね」
海斗が奏良を突き放したのは昨日のことだった。
その後、海斗から連絡を受けたリクが奏良のもとに来たのであった。
海斗は奏良のもとに戻るわけにはいかない。そのために、突き放すしかできなかった。
それでも、海斗の性格的に平静でいられるわけではない。
「海斗君は頑張ったんだね」
そう言いながら、ミキは海斗の頭をなでた。
「また、その人たちと笑って会える日が来るといいね」
「うん・・だけど、しばらくは無理かな」
ミキは不思議そうに首をかしげる。
「奏良もリクも、以前・・・高校生の頃に戻りたいと思っているんだ。でもね」
海斗は、ミキに優しいまなざしで見つめた。
「僕は、戻りたくないんだ。今が一番幸せだからね」
そうして、海斗は本当に幸せそうにミキに微笑んだのだった。
―――――
今回のSSはここまでです。
ありがとうございました。
酔っ払っていた美人を介抱するために家に連れ帰ったら襲われて食べられちゃいました 三枝 優 @7487sakuya
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