詩の蕩
桜 仁
傘
向こうから歩いてきた男がさっ、と傘を閉じた。私はそれを見てぱっ、と傘を開いた。すれ違い際、視界の端で彼がニヤッと笑った。それを見てニコッと笑い返した。
湿気の匂いが鼻をくすぐる。
詩の蕩 桜 仁 @sakurazin
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