純白ワンピと僕

conbrio

第1話 white clover

この物語はシロツメグサを依代に現界した少女と、スターチスが好きな一人暮らしの男性が贈るほっこり系復讐ストーリーである。



「おかえりー」


「んはぁ?」


「んはぁ?じゃないわ」

みっともない声を出してしまった。いや、けどさ…家に帰ったら純白のワンピースを着た女の子がいるんだぜ?困惑するだろ普通…


「誰だよお前…」


「え?見て分からんのん?お前がこの前踏みつけた、シロツメグサに憑依したただの女の子やけど?」


「シロツメグサって… いや、その前に憑依ってなんだよ…」

 色んなことが起こりすぎだろ…


「なんでシロツメグサが俺ん家にいんだよ………」


「私自体はシロツメグサじゃないし… ともかく、シロツメグサに恨みを晴らしてほしいって頼まれたんよ」


「恨み…? ああ、踏みつけたとかなんとか言ってたな」


「そーそー。ほやけん成仏しきれんかった私に声が掛かったってこと」

今更だけどさ…なんで俺こんなに簡単にこいつと話せてんだよ…仕事のストレスのせいでおかしくなってるなコレ…


「成仏ってことは…お前死んじゃってんのか」


「ソユコトー。シロちゃんの恨みを晴らして、なおかつこの世の未練を私が晴らしたら成仏できるんやと思う。」


「ふぅん… その恨みとやらはどうやったら晴らせるんだ?」


「蹴る」

「蹴る!?」


「そのぐらいは報いとして受けてもらわないと腹の虫がおさまらないんだって」


「そのくらいでいいのか… 恨みって言うからもっと凄いことされるかと思った」

案外拍子抜けだな


「えいっ☆」

ぐぶじゅっ


「ぐわはぁ!??」

は?? 痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛いいいいいい!!!


「ど〜お? シロちゃんが容赦なくやってって言ったから容赦なくやったけど…?」


「ゔぁあ…痛すぎ…」

何が起こったのかわからなかった。気がついたら全身に物凄い圧がかかっていた…

例えるなら無理矢理物凄い力で背中を押されて、太ももやすね、背中ごと潰しながら柔軟体操してるみたいだった…


「道端で踏まれる花ってあんな感じなのか…」


「あ… シロちゃんが居なくなった…」


「えぇ!?なんで唐突に!?復讐あれだけ?いや確かに痛かったけれども!」


「? 何か困るの?Mなの?」

うわっ!引いてるっ!ワンピのロリに分かりやすく引かれてるっ!傷つくっ!


「っっっっつうかなあ!『ぐぶじゅっ』っておよそ人間から発されていい音ではないからな!?」

これぞ大人のテク。話題すり替え。


「知らんし。やったのはシロちゃんやし。そもそもお前が花を踏んだのが悪いんやし」

お前なあ…


「このままお前の未練とやらを聞いてやるよ…俺は仕事帰りなんだよ。早く寝たい。今すぐだ。それを押してまで聞いてやってんだから感謝しろよ…」


「ここで生活させて♡」







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