第6話
日課のランニングは一転してオバケ箒たちとの追いかけっこと化した。
わたしは未だ
それに気づいたのはしばらく走ったあと。
ちょうど通学路の
「……今のうちに休もっと」
わたしは民家の
「あーあ。これからどうしよ」
あんなのに
一方で、逃げるばかりじゃきっとこの悪夢からは脱出できない。
お父さんの言葉を借りるなら『人を祟らんとする神様は、心からの
(家に戻って、それからあの竹箒に
わたしの胸に不安が
(……それでもやらなきゃ)
なにもしないよりは。
進んで努力しないまま、
――なんて、実際のところ、やるしかない状況に追い込まれただけなんだけど。
「あー! いたよー!」
見れば、室内の掃除にふさわしいサイズの箒がぴょんぴょんと跳ねている。どうやらあのオバケ箒たち、また仲間を増やしたらしい。
「だったらこっちは……こうよ!」
オバケ箒たちがここに集まってくるのも時間の問題だ。ならせめて、追いかける
わたしは思いっきりその場を
この路地裏がろくに掃除されていないことを、わたしは見逃さなかったのである。
「ウィース! ってなんも見えねえ!?」
「まあ、ほこりっぽい……」
「どこにもおらんじゃないか」
「もー! ちゃんといるんだってばー!」
駆けつけたオバケ箒たちが言い争っている隙に、わたしは彼らがいる反対側から路地裏を抜ける。
目指すは実家。境内を掃き清めるのに使われるはずだった、あの竹箒のところだ。
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