「うわ」

「死んでる」

「気持ちわりー」

「ちょっと、やめなさいよ」

 口々に喋っている子供たちの輪の中に、死んだ鳥が横たわっている。

 絵麻は、子供たちのそばに立ち、死んだ鳥を見下ろした。

 そして、鳥のそばにしゃがむと、手を合わせて目を閉じた。

 しばらくすると、子供たちも絵麻をならって、手を合わせて目を閉じた。

 保健所への電話を終えた梅子も絵麻の隣にしゃがむ。

 絵麻の横顔をちらっと見て、手を合わせると、梅子もそっと目を閉じた。

                                 終

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姿なきもの Han Lu @Han_Lu_Han

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