第528話 効率的調査
「『
「あれ? 調査だけの話じゃなかったかな? 採取依頼も一緒になってるのは手違い?」
ディエゴが家に来た翌日、ギルドのカウンターで依頼を受けに来たらこうである。
リカルドだったらため息吐きながらも受け入れていたかもしれないけど、今回はリーダー代理のエンリケなのでしっかりツッコんでくれた。
これでそのまま受け入れたら、素材を手に入れるまで帰って来れなくなっちゃう。
普段通りに
もしも森から
「あら? ギルマスからは両方と聞いていますけど。
エンリケが困ったように壁際で待機している私とホセを振り返ったので、トコトコとカウンターへ向かう。
「それなら
「確かに……、見つけたら討伐するのは難しくないけど、見つかるかどうかが問題だからね」
「で、ではそのように書き換えますね」
受付嬢はチラリと階段をの方を見て
私はそれに気が付かないフリをしてギルドから出る瞬間にサッと階段の方を見ると、予想通りディエゴが苦笑いを浮かべながら見送っていた。
「まったくもぅ、ディエゴってば小賢しい真似するんだから!」
「あはは、あのまま素直に
「そうだねぇ、受けて
「とりあえず行ってみねぇと何とも言えねぇからな。これまで
ホセの言う通りならすぐに解決しそうだけど、
ウルスカの門で
「ねぇねぇ、森まで競争しない? そうしたら早く到着するし、効率的じゃない?」
「お前……少しでも早く帰って来てぇのがバレバレだぞ。まぁいいけどよ」
「俺も別に構わないよ」
ホセの呆れた視線より、少しでも早く帰る事が大切なのだ。
エンリケも了承してくれたので手首と足首をほぐして準備する。
「それじゃあ決まりね、『
そうして走る事約十分、歩けば一時間程かかるからかなりの時短になった。
「はぁはぁ、おま、……おまえなぁ……っ、はぁ、一人だけ……はぁはぁ、身体強化、はぁ、使いやがって……はぁはぁ」
ちなみに身体強化している私もしっかり息が乱れているが、何気にエンリケだけ涼しい顔をしていたりする。
順位もエンリケが一番で、もうすぐゴールというところでホセに抜かされたので私がビリだ。
罰ゲームとか何も決めてなくてよかった。
「はぁはぁ、身体強化使っても二人に勝てないんだもん、やっぱりもっと基礎体力付けないとダメだね。あ、お水飲む?」
「「飲む」」
三人で仲良く水を飲みながら森へと入ると、浅部は普段と変わらない森だ。
事前に相談した通り、普段
二時間近く歩き続けて懐かしい場所にやってきた、ホセと初めて出会った時に歩いた場所だ。
という事で
「ここからは
周辺に人がいなかったのでエンリケが探索魔法で調べてくれたが、その結果に私は肩を落とした。
どうやら今夜は森で過ごす事が決定したらしい。さすがに森の中だと転移魔法で戻ってくる時に目印になる物がないと難しいが、そういう目印のある場所は他の冒険者がいる可能性が高いので転移はやめておいた方がいいというのが仲間達の見解だ。
時々探索魔法を使い、休憩を挟みつつ移動する事数時間。
文句を言われるのでホセにも身体強化を使いながら、本来二日かかる距離を一日で移動してきた。
「そろそろ陽が傾くから、今夜はここで過ごそうか」
見覚えのある中間区域と深部の境目でエンリケが立ち止まった。
「ここってあのエルフの女と会った場所じゃなかったか?」
「レミエルの事? そういえばここだったね……って、まさかまたエルフの誰かが大きな魔法使って一時的に
「「…………」」
私の思い付きに無言になるホセとエンリケ。
さすがにそれは違うと思いたい。
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