第460話 ビビアナの子vsガブリエル!?
「確かに
私の説明を聞いた後、カマエルがポツリと呟いた、宮廷魔導師になろうとするだけあって魔法に関しての興味はしっかりある様だ。
「アイル、これは凄い発見だよ! 後は魔力操作に女神の加護が関係しているか検証する余地があるね。もしそうなら女神の信者も増えるんじゃないかな」
思った以上にエンリケが喰い付いた、さっきまで控え目にしていたのにすっかり前のめりで、皆もエンリケの珍しいテンションに驚いている。
「エンリケは魔法に詳しいのか? まるで自分も魔法が使えるかの様な喜び様だな」
タミエルが不思議そうにエンリケを見た、ちょっとガブリエル、そんなに目を泳がせていたら疑って下さいって言ってる様なものでしょ!
エンリケが竜人だと知っていて奇跡的に黙っているというのに挙動不審でバレたら意味がないじゃない。
「だってもう魔法が使える子供が産まれてるはずだし、実際補助したらリカルドだってほんの少し魔法使えたんだから期待はするよ。ね、リカルド?」
「あ、ああ、まだ使えると言える程では無いが…今後に期待だな」
エンリケの事を誤魔化す為に
あ、『
「とりあえずウリエルに教会が無くて女神信仰心の薄い人で治癒魔法の適性がある人が居たか聞いてみると良いかも。次の町の教会で教会本部へ連絡してもらおうか?」
もしかしたら教会本部に資料とかあるかもしれないし、ウリエルに連絡してもらうにも教会本部が一番だよね。
「だけどそんな事公表したら教会の内外で大変な事になるだろうねぇ、子供に治癒魔法を覚えさせる為に無理矢理教会に通わせたりする親とか出て来そう」
エリアスが食後のお茶を飲みつつ眉間に皺を寄せた。
「そんなの教会内部の極秘事項として取り扱ってもらえば良いんだよ、きっと教会側にとってもその方が都合が良いだろうし」
「それは…間違い無いかも。だけどさぁ、ビビアナのお腹の子は確実に治癒魔法使えそうだよね~、両親が女神様から直接加護と祝福貰ってるんでしょ? しかも女神の化し…じゃない、聖女であり賢者のアイルからの寵愛が約束されてるんだもん」
エリアス、今危なかったよ!? エルフの三人は女神様の化身になった事は知らないんだからね!?
ホセに肘で突かれて目を逸らしてるし。
「だったら私もこれまで以上に女神の信者になろうかな、魔導具作る時に指を挟んだりして意外に怪我するからさ、いつもポーション使ってたんだけど治癒魔法で治せたらいいのにっていつも思ってたんだ。なにせ私はアイルの友人だからね、アイルに可愛がられてるビビアナの子供が使えるのに私が使えないなんて状況は許されないだろう!?」
「どんな理屈だよ…」
熱く語るガブリエルにホセがボソっとツッコんだ、私達だけじゃなくエルフの二人まで頷いてるよ。
「さて、皆食べ終わったみたいだからそろそろ片付けるね」
話が一段落したところで空になった器に洗浄魔法を掛けてストレージに収納していく。
『希望』の仲間達は馬車の本体に馬を繋いで出発の準備をしている中、エリアスがそっと近付いて来てコソコソと耳打ちしてきた。
「ねぇ、さっき僕凄い事に気付いちゃった」
「え? 何? その笑顔が怖いんだけど…」
「ふふ、だってさぁ、もしもアイルが女神の化身ってバレたら教会で祈るよりアイルに向かって祈りたいって人が押し寄せて来そうだなぁって。外を出歩く
「ちょっと!? 間違ってもうっかり口を滑らせたりしないでよね!?」
「あはははは」
恐ろしい事を言いながら笑っているエリアスの胸倉を掴んでガクガクと揺さぶる、笑ってるだけで確約してくれないのが怖いんだけど!?
「おい、何遊んでんだよ、もう行くぞ」
馬車の準備を終えたホセが御者席に乗り込みながら声を掛けてきた。
「ホセ~、エリアスが怖い事言って脅かしてくるよぅ、エリアスだけここに置いてっちゃダメ?」
エリアスをペイっと放り出し、ホセに駆け寄る。
「ダメだな、『
「ダメか~」
そんな事をしてもエリアスには何のダメージにもならないんだけどね、実際今もニコニコしながら馬車に乗り込んで行ったし、うぬぬ。
「ククッ、エリアスを手玉に取るのはお前にゃまだ無理だろ。ほら、早く乗れ、出発するぞ」
「はぁい」
悔しくて
しょうがない、馬車の中ではエリアス対策としてリカルド
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