第236話 食後の男性陣
【三人称です】
「それにしてもエドガルドは色々考えてるみたいだねぇ」
夕食後に食堂に現れた3人の男達に半ば強引に連れ出された『
「どういう事だ?」
ホセが
「だって
「そんな事をしても
「だから僕達を娼館に行かせてアイルに僕達が娼館に行く男だと認識させて、なおかつ間違ってもアイルに手を出させない様にここで発散させるつもりなんだろうね。アイルは元々恋愛する気は無い上に娼館行く様な男はもっと恋愛対象外みたいだし?」
「ケッ、オレ達が娼館行ってるのなんざとっくにアイルも知ってるのによ」
「だけど僕達は今までアイルの前で宣言して行く様な事はしなかったでしょ? 遊びに行って来る事は伝えてもどこに行くとは言って無い訳だし、アイルだって態々確認なんてしないし。ついでにアイルを気にして行かないって言ったら
「なるほど、男としてアイルの好感度を下げる上に俺達の気持ちも確認出来るって訳か」
リカルドが感心した様に頷くと同時にエロイが振り向いた。
「兄さん方、ここから娼館が並ぶ通りになりやす。好みの
「え~? 僕は初々しい方が良いかな、あ、でも良い身体してるのは大前提で」
「う~ん、だったらあそこだな…それか2軒隣の…」
「ホセは慣れてる方が面倒が無くて良いんだよね?」
エロイが頭の中で店をピックアップしている間に満面の笑みで話を振るエリアス、いつもなら真っ先に要求を伝えそうなホセが黙っていたので何かあるのかとわくわくしている。
「ああ…、だけどよ、な~んかエドガルドの思い通りに動くってのが気に入らねぇんだよなぁ」
「ホセはあまりエドガルドとは相性が良くないみたいだしな、何なら娼館はやめて酒場にでも行くか? 付き合うぞ」
しかしこのリカルドの言葉に案内役のイケルとパコが慌て出す。
「いやいや、せっかくなんで娼館に行きやしょう! 若いのから熟女まで揃ってますんで!」
「長旅で溜まってるんでしょう!?」
「何でそんなに慌ててるんだ? オレ達が娼館に行かないと不都合でもあるってぇのか?」
ジトリとした目で2人をジーッと見ると面白いくらいに目が泳ぎ出した。
一歩近付いて見続けるとパコが白状し出す。
多少の荒事は慣れているが、現役Aランク冒険者であるホセの迫力には逆らえなかった様だ。
「兄さん方の女の好みを確認しろって言われてるだけでさぁ!」
「そ、そうそう! 次に来た時にも満足して貰える様に娼婦を揃えるからって…あっ」
余計な事を言ったと気付いたイケルが自分の口を押さえた時にはもう遅かった、エドガルドの思考パターンを読んでエリアスが納得した様に頷く。
「なるほどねぇ…、そういう事か」
「あ? どういう事だ?」
ホセは単純にエドガルドがアイルに近付いても文句を言わない様に自分達の機嫌取りの為に好みの娼婦を揃えると考えたが、エリアスの薄笑いがそうでは無いと物語っていた。
「僕達を娼館に入り浸りにしておけば今後トレラーガに来た時、屋敷にはアイルとビビアナだけ。ビビアナはあのベッタリ具合を見るとセシリオも一緒に連れて来そうでしょ? そうなると暇になるのはアイルだけ。しかも他の皆は楽しそうにしているのに部屋で1人過ごす事になったら何をするか…予想はつくよね」
「間違い無く飲むだろうな」
「確実だろう」
唸る様に答えるホセに続いてリカルドも頷いた。
「例え飲んで無くても美味しいお酒を用意したと言って差し出されたら飲むよね。ホセの言いつけを守って1人で飲んだとしても、酔った頃合いを見計らって部屋に…ってエドガルドだからそのくらいの事は考えてると思うよ。今回の滞在じゃ無理かもしれないけど、次に来た時はわからないよねぇ?」
エリアスの顔は明らかに面白がっている、正確にはホセがアイルに対して少しずつ態度がおかしくなっている事に気付いているので、ホセがどういう反応をするのか楽しみにしているのだ。
決して煽る様な事はしないが、既に「願い下げ」であり「対象外」だとアイル本人の口から聞いているのにそれを伝えずホセの行動を観察しようという辺りがエリアスらしいと言える。
「…………とりあえず今夜は酒場にしようぜ、エリアスは行きたきゃ行ってこいよ」
「う〜ん、明日は商業ギルドに行くから僕も今夜は早めに寝る事にしようかな、軽く飲んだら帰ろうか。案内は明日改めてお願いするよ」
有無を言わせない笑顔でエロイにそう言うと、行った事のある酒場へと向かった、2階が連れ込み宿になっている以前リカルドが情報収集した酒場だ。
そこで久々に顔を合わせたロビンが親しげにリカルドに声を掛けるのを見て、エロイ達3人はリカルドに尊敬の眼差しを向ける様になった。
◇◇◇
「願い下げ」「対象外」発言は214話参照。
近況ノートにキャラクターの落書き置いてます、絵師ではないのでハードルは目一杯下げてご覧下さい。_φ( ̄ー ̄ )
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます