第4話 フレンズ化
「ヤマトお兄様!お願いします!」
渡されたのはイタリアオオカミがさっきまで着ていたらしい、イタリアオオカミの服。
…当然下着もある。…いざとなれば恥ずかしいなこれ…
「う、うん…?」
「そこの部屋で着替えればいいよ?」
「…長くなるかもしんないから…///」
赤面するほどの恥ずかしさ!…だってやばいもん。
…
オレンジに指定された着替え部屋…
…クローゼットだろ。ここ。
「…まあいいや…着替えますか…」
…正直言って…やりたくなかった。
…
「できたよー…///」
とりあえずできたけど…大きさはちょうどいいんだけどさ、ものすごーく恥ずかしい!何度も言ってるけど恥ずかしいんだって!
「どうですか…?私の服…」
「うん…大きさはちょうどいいよ…///」
ちなみにイタリアオオカミはプラズムで服を作り出しているから外に出られる。
「ヤマト、何か変化はある?」
「うーん…特に変化はな」
「な」を言った瞬間、体が光りだす。
「!?」
「おっ!?」
「ちょっ…!?いろんなところが気持ち悪い!」
なんか体のいろんなところがムズムズする!ていうか視点がどんどん上がってくんだけど!?
「し、身長高くなっていってない…?」
グググ…尻辺りも…頭も…ムズムズしてしょうがない!
そのあと、俺の体が光に包まれる。
…
「…ん?」
なんか…さっきよりも視点は上がってるし…
「…!ヤマトお兄様!」
「すごい…!僕の偏見は間違ってなかった!ほら!鏡で確認してみなよ!」
「オスがまた1人増えたね…」
オレンジが持ってきてくれた鏡を見てみるとその姿は驚くのも無理はなかった。
身長は伸びていて、髪の毛は茶色になっていて、その頭からはけものの耳がある。尻あたりにはイタリアオオカミの尻尾が生えている。…マジか…俺もフレンズになれるんだな…
「…俺…」
「…おめでとう。フレンズになれたよ?」
「…なるほど、そういうことか…」
俺は成長期の半端だったから、ちゃんと成長したってことかな?
「ヤマトお兄様!これで、仲間ですね?」
「…そうだね?俺はこんなことになるなんて思ってもなかったけど…てか着替えていい?」
「あ、そこの部屋で着替えてね?」
「わかった!」
とりあえず着替えよう!俺がずっとイタリアオオカミの服着てるのもなんかおかしいしね…
「あ、プラズムで服作ってみてよ!願うだけで大丈夫だからね?」
「わかった!」
とりあえずクローゼットに!
それに服もアレンジしよう!
…
クローゼットの中でまた体を光らせて服を変えてきた!ざっと簡単に言えば、イタリアオオカミが来ている上半身の服に茶色のワイドパンツ!
「ヤマトお兄様!イタリアオオカミっぽさがちゃんと出てますよ!」
「ありがとね?」
「さ、君もイタリアオオカミになったわけだし、オオカミ連盟に入る権利はあるよ?その様子だと知ってるっぽいし…どうする?」
「もちろん入る!」
「よし!あとね?ヤマトは…どれくらいいるかわかる?」
「かなり多いことは知ってるね」
「うん。まあ他よりも随分と多いよ?多分一番数が多いグループだと思う!」
「でしょうねぇ」
「まあ多いのはいいことだから大歓迎だよ!」
「タイリクオオカミお姉様ー!」
「ん?どうしたんだい?」
「相談があるんですけど…いいですか?」
「相談?なら2人の方がいいね?…オレンジ?ちょっと外に出てくるよ?」
「おっけ!」
なんの相談なんだろ…あと、僕が知らないうちにパークってどれくらい発展してるんだろ…?未成年も親の許可があればつがいになって子供を産んでもいいパークだからなぁ…ってことは俺もつがいになったら産ませてやってもいいってことか…いやいや、そんな邪なことは考えないでおこう。これでも一応元人間なんだから…
「…で、ヤマト。バッグとか荷物はある?」
「…そういえばなかったな…」
「なら僕のバッグひとつあげるよ!」
「マジか!?ならもらう!」
「よし!じゃあ…これあげるね!」
そのバッグは大きめのスポーツをやる人のリュックみたいなやつ!
中身は…入ってないよな?
って思ってたらあったよ。真剣とか木刀とかエアガン4丁とか包丁とかブレイクダンス用の服…ってなんで俺の使ってるものが入ってる!?
「…えっと…オレンジ」
「ん?」
「中身…何も入れてないんだよね?」
「そうだけど?」
「じゃあなんで…」
「え?何か入ってた?」
「うん。俺の私物」
「なんで!?」
当然驚くだろうなぁ…
「えっと…見せて?」
「おっけ!」
「えっと…真剣持ってるの!?」
「うん。さっき抜刀術やってるって言ったでしょ?この指の傷だって抜刀術でできた傷」
「なるほど…大丈夫?」
「昔の傷だから痛くないよ!」
「ならよかった…てか、一つ聞いておこうかな?神様のところには行きたい?」
「…四神か!?幻獣か!?」
「まあカエデもいるけどね…連れてってあげるよ?」
「おっしゃ…!」
四神は俺の最大の推し!語り始めれば止まらなくなるからここでは語らないようにしておこう。
…おっとそうだ!四神といえばあれを用意しなきゃ!
「…あ、キッチン借りていい?」
「ん?なんで?」
「スザク様に手土産だよ♪」
手土産持って行った方がいいからね。怒られちゃう。
「あぁ!なるほど!でも最近はカエデが神様に色々な料理を食べさせてるから並の料理じゃ満足しなくなってるよー?」
「大丈夫!とっておきの料理がある!」
2品!一品はヘルシーで食べ良い!もう一品はソースと鶏肉の味がベストマッチしている!
「それは?」
「キャロットラペと鶏肉の赤ワイン煮込みだよ…!」
というわけでまたクッキングタイムだね!
今回はキャロットラペと鶏肉の赤ワイン煮込みの作り方を解説していこうか!
あ、言い忘れたけど、たまに塩、胡椒って言う言い方と塩胡椒って言うときあるけど、それは塩、胡椒の場合は別々の方がいい!つまり塩胡椒って書いてある場合はいつも売ってるような塩と胡椒が一緒に入ってるやつを使えばいいよ!
ではまずはキャロットラペから。
材料はにんじん、酢、オリーブオイル、塩、胡椒、はちみつ!これだけあれば作れる簡単なものだよ!
最初はにんじんを食べやすいサイズに微塵切り。厚ければ食感が硬いけど、細ければふわふわした食感になるよ。
で、切り終わったら酢を簡単にかけよう。ちなみに酢は米酢だともっと美味しい。
そのあとはレンジで3分ほどチンしよう。これ、普通に火を通すのとは大違いだからね。
レンチン終わったら取り出して水気があれば落とそう。
そして、熱いうちにオリーブオイル、塩、胡椒、蜂蜜をかけて全体をかき混ぜれば完成!ね、簡単でしょ?
次は鶏肉の赤ワイン煮込み!これは大変だけど作り方が良ければ鶏肉がホロホロしてものすっごく美味しくなるからね!ちゃんと作っていこう!
材料は鶏肉、赤ワイン、お好きな野菜、塩胡椒、料理酒、水、砂糖!
お好きな野菜は無くてもいいけど、入れる人はジャガイモだとかにんじんだとかマッシュルームだとか…カレーに入っている野菜がオススメだよ!
じゃあ調理工程!
まず、鶏肉を食べ良い大きさに切って、塩胡椒を揉み込む。これがあるか無いかだけでもただ焼く時だけでもかなり美味しさが違ってくるよ!あ、これを数分寝かせておこうね。
鶏肉を寝かせている間に野菜を切っておこう。今回はマッシュルームとジャガイモを使うことにしたよ!
カレーみたいにゴロっとしてる感じじゃなくて、ちょっと小さめに切るのがおすすめ。
で、切り終わった野菜はとりあえず放置。
次はスープ作り!ここで分岐が入るんだけどね、アルコールを抜きたい人はしっかり長時間沸騰させようね。ガス代かかるけど。
それと、このスープも2種類あって、ドロッドロなやつかシャビシャビなやつか。俺的にはドロッドロの方が使い勝手がいいけど今回は手間も考えて時間がないからシャビシャビにするよ。あ、ドロッドロにしたかったら片栗粉とか入れようね。
まずは水と赤ワインを1:3の割合で入れよう。赤ワインは入れれば入れるほどアルコールの抜く時間が長くなるけど、そこは割合。味も濃くなるからいいね!
ちなみにこの赤ワインソースなんだけど、中濃ソースだとかウスターソースくらい使い勝手がいいから普通にこれだけ作るのもいいかも。ちなみにハンバーグにかけるのがオススメ!
んで、ここで甘くしたい人は砂糖をドボン。でも大体はそのままで大丈夫だから今回は使わないとしよう。
そしてそのままアルコール抜きの作業をしたりして、その途中で具材をドボンしよう。野菜も鶏肉もね?
そして長時間煮込み続ける。ちなみに鶏肉は事前に炒めておいてもオッケー。でも焼きすぎると味が染み込まなくなるから程々にしておこう。
そしてタイムスリップしまして、これにて完成!鶏肉の赤ワイン煮込み!これね、あっちにいた時は祝い事の時しか作らないんだけど今回は特別!神様のスザク様の手土産だからね!
…
調理中にあの2人は帰ってきてたみたい。まあ当然だよね?
「ふぅ!お疲れさん!」
「これ…お昼に食べても?」
「あ、いいよ?」
「ありがとう!ささっ、さっき言った通り今から火山に行くよ!準備はできてるね?」
「はい!」
「うん。バスの点検も済んだからいつでもいけるよ?」
「…ヤマトはもちろんいいよね?」
「そうだね!俺ももちろんいいよ!」
「よし!じゃあそのまま出発!」
みんなでバスに乗り込んで、いざ出発!
…気に入ってくれるかな…?
異世界フレンズ生活 〜作者編〜 プリン制作人 @r042753
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