File33:Su-27SM3

本来中国に輸出されるはずであったSu-27SKのうち、キャンセルされた機体のフレームを使用して製造された機体。新型ミサイルを使用するためにアビオニクスが更新されている。ある情報筋によればSu-35Sよりも高価らしい。


「幽霊だと?」


「間違いないこの目で見たんだ。一瞬で6機のロシア軍機を落としていったんだ。」


「そんなゲームみたいな話があるもんか。それで、その幽霊は何に乗ってたんだ?」


「MiG-29だ。」


そう聞くと俺は笑った。


「MiG-29だと?ありえねぇ。そんな旧式の機体でどうやって性能面で優ってるSu-35を落としたんだよ。」


「置きミサイルさ。」


この相棒は頭がおかしくなったかと思えた。確かに置きミサイルは直接ロックオンしない特性上、レーダーアラートも鳴らないしミサイルアラートも鳴らない。しかし双方が戦闘機という機動兵器を操っている以上、置きミサイルなど至難の技どころの話ではない。


「奴は俺たちが次に取る行動が手に取って分かるみたいだった。まるで戦場はあの幽霊に支配されているようだったよ。」


「俺がその幽霊を見つけ出してやるよ。」


その次の日、俺はSu-27に乗って出撃した。あの「幽霊」を落とすためだ。


「それでその幽霊の機体に特徴はなかったか?」


「確か尾翼のエンブレムは青地に黄色のスペードだったな。それに機体カラーは低彩度のデジタル迷彩だった。」


そして相棒は「幽霊」を見つけた。


「あれだ!あの機体だ!」


デジタル迷彩にスペードのエンブレム。あれが「幽霊」だった。


「セラ2離れるな。あの『幽霊』を落とすぞ。」


幽霊はレーダーに姿を現さない。あのMiG-29は迷彩の他にもステルス塗装が施されているようだ。


「有視界戦闘だ。味方に当てるなよ。」


セラ隊の2機は幽霊との交戦を開始する。セラ隊のSu-27は幽霊の背後を取った。マシンガンを撃つ。MiG-29は上昇し弾を避けた。MiG-29は反転し、マシンガンを撃ってくる。Su-27は散開する。そして幽霊を挟み込んだ。


「落ちろ!」


Su-27は幽霊に十字砲火を組む。幽霊はウェポンラックに懸架されていたブレードを左手で抜き、セラ2へ迫った。セラ2は回避し、幽霊の背後を取った。すると幽霊は反転しブレードを振った。セラ2はマシンガンを盾にし、ブレードを回避した。


「ロックオンした。」


セラ1がミサイルを発射する。幽霊はそれをインメルマンターンで回避し、セラ1の上を取った。幽霊がセラ1を撃ち下ろす。セラ1は上を向き、幽霊に発砲する。そこにセラ2のミサイルが飛んでくる。幽霊はフレアを撒いた。しかしミサイルは欺瞞されることなく幽霊の方へ飛翔する。幽霊は機関砲でミサイルを破壊した。セラ1がブレードを引き抜き、幽霊へと近づく。幽霊はミサイルをパイロンから切り離し、セラ1へ落下させる。ミサイルはセラ1のSu-27に直撃し、爆発した。そしてマシンガンでセラ2を葬った。

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