File25:F-15E
制空戦闘機F-15の複座型をベースに開発された歩兵戦闘爆撃機。機体に多数存在するハードポイントによって爆装が可能となっており、F-15ゆずりの機動力によって爆撃機ではあるものの、近接戦闘能力は下手な戦闘機よりも高い。手持ち武装はF-15と同様のものが使用出来るほか、多種多様な爆弾を搭載することができる。近年ではF-15Eの強力なジェネレーター出力を利用して、戦闘機によるレーザー兵器の実験も行われているようだ。
5機のF-15Eが渓谷を飛行している。基地の夜間強襲のためだ。後方にはヘリボーン部隊が追従してきている。前方には多数のサーチライトが、侵入者がいないか目を光らせている。
「こちらバジリスク1。こちらの到着予想時間はそちらと差がない。奇襲とはいえ、そんなに早くランディングポイントを確保できるのか。」
パイロットの一人が答える。
「安心しろ。そっちこそその数でいいのか?」
「大丈夫だ。遺書なら全員に書かせてきた。」
「笑えねぇぜ。」
渓谷内は非常に狭く常に対地接近警報が鳴り響いている。
「ウェイポイント2を通過。谷が更に狭くなる。注意して飛行しろ。」
F-15Eはフラップやエルロン、四肢を忙しく動作させる。戦闘機のコクピットは頭部のカメラから得た情報をモニターに映すことでパイロットに外界の情報を与えている。このとき、映し出される映像は様々な補正がかけられている。暗所では実際よりも明るく表示されるのもその1つだ。しかし、暗さという問題が解決されても、渓谷の狭さという問題は解決されない。F-15Eは渓谷を素早く、正確に飛行していく。
「ウェイポイント3を通過。これより無線を封鎖する。次におしゃべりできるのは基地上空だ。」
F-15Eは高度制限を守りながら飛行を続ける。ヘリは後ろから黙ってついてくる。敵基地はもう目と鼻の先だ。F-15Eは兵装の設定を行う。前席に乗るパイロットはマシンガンやブレードといった機体のマニュピレーターを使った武装とミサイルを、後席の火器管制官は爆弾の投下を行う。
「ウェイポイント4を通過。全機!兵装の使用を許可する!」
「さて、モーニングコールといこうじゃないか。」
F-15Eは敵基地へクラスター爆弾を落としていく。基地から空襲警報が鳴る。対空火器が発砲を始めた。
「敵の対空火器が動き出した。ようやくお目覚めのようだ。」
「このまま一気に片付けちまおう!」
下で敵戦闘機がタキシングを始める。F-15Eが戦闘機へミサイルを撃ち込んだ。敵戦闘機は離陸前に撃破される。
「こちらバジリスク。まもなく着陸地点へ到達する。」
「バジリスク隊が着陸する前に対空火器を片付けろ。着陸時に敵の対空火器が大勢残っているようでは作戦は失敗するぞ。」
奇襲に対応して敵がヘリを上げてくる。
「敵がヘリを上げてきた。撃墜しろ。」
F-15はマシンガンを構えてヘリへ発砲する。ヘリの装甲に穴が開き、墜落していく。着陸地点を確保したバジリスク隊がヘリを着陸させる。
「ピザの宅配先はここか。」
ヘリから隊員が降りる。基地の建物の前で敵歩兵がアサルトライフルを構えている。敵は発砲を開始した。
「宅配先から手厚い歓迎だ。こっちもお返ししてやれ。」
バジリスク隊もそれに対応してアサルトライフルを発砲する。敵を一掃する。
車庫から戦車が出てくる。
「敵の増援を確認した。排除せよ。」
「ピザ屋があぶねぇ、助けるぞ!」
F-15Eは接近して戦車に爆弾を落とす。戦車は一瞬にしてくず鉄と化す。
「助かった!」
F-15Eは残存勢力を排除する。
東から戦闘機が飛来する。
「戦闘機だ。おそらく向こうが呼んだ増援だろう。」
F-15Eは敵戦闘機を迎撃する。肩からミサイルを発射する。ミサイルは戦闘機に直撃し墜落した。敵性車両を全て排除することに成功した。
「よし、これから我々の屈強な配達員がお客さん宅の呼び鈴を鳴らす。」
「行け!ゴーゴーゴー!」
バジリスク隊が突入する。
「こんばんは!ピザをお届けに参りました!」
「バリケードは踏み倒せ!抵抗する者は殺害しろ!」
「注文者の基地司令官の部屋はどこでしょうか!?」
建物内で銃撃戦が始まる。電灯が割れたのか1区画の光が消える。
「上へ上がれ!」
ヘッドセットから階段を上る足音が聞こえる。何回か銃声が聞こえる。
「グレネードだ!伏せろ!」
爆発音が聞こえる。再び銃声が聞こえる。
「これ以上時間をかけたらピザが無料になっちまうぜ!」
「問題ない、我々は配達時間は絶対守ることで有名なんだ!」
バジリスク隊は階段を上がる。司令室の表札が見えた。
「ここが配達先か。間違いないな?」
ドアを蹴破る音が聞こえる。少し間があったあと、バジリスク隊の声が聞こえてくる。
「司令官は投降した。基地の制圧完了。」
「了解。作戦完了。」
「どうやらピザは間に合ったようだな。」
「捕虜は国際法に従い処遇される。飯も持ってきたぞ。ほら、温かいピザだ。」
基地の制圧が完了し、作戦は無事完了した。
「遺書は必要なかったな。」
「ああ、無駄な事務仕事をさせるなと、みな文句を言っている。」
「笑えねぇぜ。」
「さあ、着陸を始めてくれ。管制はこちらでする。」
F-15Eは次々に着陸していく。
「全機の着陸を確認した。いくぞ、彼らを出迎えよう!」
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