File17:F-22
F-15の後継機としてアメリカが開発されたステルス戦闘機。そのステルス性能を活かして敵の視界外からの攻撃を基本戦術とする。しかしこの機体は最強の近接戦闘能力を持つ戦闘機として有名である。機動性能は推力偏向ノズルを搭載し、コブラやクルビットなどの特殊な機動を行うことができる。武装は専用開発されたステルス性能を持つアサルトマシンガン、素早く振ることに重視したカーボンブレード、バルカン砲、脚部兵装庫に空対空ミサイルを2発、左右の腰アーマーには高機動ミサイルや精密爆撃が可能な対地爆弾が装備している。また近年ではステルス性能があるウェポンボックスを肩に装備でき、欠点であった武装搭載量も改善されてきている。
今回はあるエースパイロットの記録を入手出来たのでそれを紹介しよう。なおF-22は記録に準じ、F/A-22と呼称する。
前方にSu-37が5機視認できる。
「5つの機影が接近中。黄色中隊だ!」
AWACSは続ける。
「彼らは、まるでこの国の最後を見届けに来たようだな。決着をつけよう!ヘリは仲間に任せろ。」
黄色中隊が左右に散開する。
「戦争を終わらせてくれ!」
F/A-22は黄色中隊とエンゲージする。
「1機で戦うな。5機でやる。」
F/A-22はロックオンされた。
「メビウス1、ロックオンされている!」
F/A-22はマニューバで敵のロックオンを外した。敵機の背後をとる。脚部兵装庫からミサイルが発射される。敵機はフレアを焚き、ミサイルが機体に当たることはなかった。アサルトライフルの照準を前のSu-37に合わせる。引き金を引き、弾丸を放つ。数発当たったところでSu-37は爆散した。
「メビウス1!後方に敵機!」
AWACSが叫ぶ。F/A-22はアフターバーナーを全開にし上昇する。頂点まできたところで機体は反転する。眼下にはビル街が広がる。1機のSu-37がF/A-22に飛びついてくる。F/A-22はバルカン砲で牽制しながら左手でカーボンブレードを抜いた。そのまま敵に向けてブレードを振った。しかし敵はすんでのところで宙返りをし、ブレードを避けた。その上、F/A-22は上下を敵に挟まれてしまった。F/A-22は機体を横にロールさせ、上の敵をアサルトライフルで、下の敵をカーボンブレードで葬った。
「メビウス1、残りの敵は2機だ。」
F/A-22は残りのSu-37を追いかける。ロックオン。ミサイルを発射する。Su-37はスプリットSでミサイルを避けた。F/A-22の後ろにもう一機のSu-37が近づく。ミサイルが飛んできた。
「メビウス1、ミサイル!ミサイル!」
F/A-22はミサイルを回避する。間を置かず、背後のSu-37が距離を詰めてくる。F/A-22は振り返ってカーボンブレードを振った。Su-37の超硬ソードとかち合った。F/A-22はすぐさま距離を取り、アサルトライフルを撃ち込む。Su-37は回避行動をとり、弾丸を避ける。
機体のシステムがアサルトライフルの弾切れを伝える。だが、この敵を目の前にしているという状況で悠長にリロードする暇はない。パイロットは腰部兵装庫の武器へと兵装を切り替える。兵装庫のハッチが開く。腰部兵装庫には高機動空対空ミサイルが搭載されている。敵をロックオンした。ミサイルを発射する。ミサイルはSu-37の鋭い機動にも食い付いていき、機体にヒットした。ダメージを与えたが、撃墜には至っていない。
「敵機への命中を確認!もう少しだ!」
残った高機動ミサイルを発射する。だが二度目はないようでミサイルはフレアによって無効化された。敵が反転してマシンガンを撃ってくる。F/A-22は眼下のビル街へ飛び込んだ。ステルス能力を活かして、敵の射線を切る。その間に弾切れしたアサルトライフルをリロードする。リロードが完了した直後、アフターバーナーを全開にし、上空へ上がった。下に下りる際、敵は一度F/A-22を見失っているため、敵の背後をとるのは簡単だった。Su-27にアサルトライフルを喰らわす。背後をとられたSu-27は反応出来ずに撃破された。
「メビウス1、敵機撃墜!」
敵機は残り1機となった。Su-37がF/A-22の背後につく。
「メビウス1!後方に敵機!」
後方からマシンガンが放たれる。F/A-22は回避行動をとるが、数発が機体に当たった。
「損傷軽微、戦闘継続に問題なし!」
F/A-22はインメルマンターンで敵を振り切ろうとする。しかし敵はF/A-22の後ろに喰らいつく。F/A-22は機体を反転させてSu-37を迎撃する。Su-37は機体を減速させて高度を急激に下げた。Su-37はF/A-22を真下から攻撃する。戦闘機の足元は目視では見えないし、攻撃もしにくい。F/A-22はアフターバーナーに点火し、加速する。機体をSu-37の方向へ向ける。アサルトライフルの照準をSu-37へ合わせる。アサルトライフルを発射する。敵は少しの動作だけで弾丸を全て避けた。ロックオンアラートが機内に鳴り響く。ミサイルが飛来する。F/A-22は急旋回し、ミサイルを避ける。F/A-22は太陽を背にする。F/A-22とSu-37が相対する。再びロックオンアラートが鳴る。F/A-22はアサルトライフルを投げ捨て、カーボンブレードを抜刀した。ミサイルが飛んでくる。F/A-22はアフターバーナーを全開にしてSu-37へと近づく。ミサイルはF/A-22のそばを通り過ぎていった。残り数十メートルというところでSu-37はF/A-22がカーボンブレードを持っていることに気がついた。Su-37は超硬ソードを取り出そうとする。F/A-22はブレードを振る。Su-37は後ろに回避する。間も置かずブレードの鋒がSu-37の胴体へ襲ってくる。Su-37は機関砲で相手を牽制する。それと同時にソードを抜き、ブレードを払う。F/A-22は機関砲を何発か喰らってしまった。機体の状況を示すインジケータが黄色に光っている。
「メビウス1!損傷増大!」
F/A-22はブレードを振り下ろす。それに対し、Su-37はソードを横に振り払った。二者の剣がぶつかり合う。Su-37がパワー負けしている。Su-37は一度後ろへ退く。F/A-22はアフターバーナーを点火し、突貫する。Su-37は上へ宙返りしようとする。そこでF/A-22はブレードを切り上げた。ブレードはSu-37に直撃し、機体は切り裂かれた。Su-37は回転しながら高度を下げていく。
「撃墜!やったぞ!レーダーから最後の機影が消えた!」
黄色中隊の最後の機体を撃墜した。
「こちらタンゴ8、エルジア軍司令部を完全制圧。」
それとほぼ同時に敵軍の司令部を制圧したと友軍の無線が入る。
「5機はメビウス1が撃墜した。制空権は完全に掌握した。」
AWACSは続ける。
「生き残ったな。メビウス1。」
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